海域陸域総合管理学研究部門

部門紹介

海域陸域統合管理学とは?

海域陸域統合管理学研究部門は、フィールド科学教育研究センターが進めている森里海連環学を研究と教育に生かし、学問分野として確立すること、この考え方を教育を通して、大学生をはじめ行政や市民に浸透させ、日本の沿岸域の環境を守り、改善するための沿岸域管理に生かしていくことを目的としている。さらに、将来にはそのような森里海連環学に基づく統合的沿岸域管理を担う人材育成をアジア各国でも行うことを目指している。
沿岸域の統合的管理を進めるためには、陸上生態系と沿岸生態系の相互作用を明らかにし、しかも人間の関わり方を生態系との関係で考えていくことが必要である。当部門で目指す統合管理とは、森里海連環学にほかならず、その統合管理の指標として、沿岸の生物多様性を保全することを目的としている点で、これまでの沿岸域統合管理では語られてこなかった分野を目指している。

なぜ京都大学に?

森から海までの生態学的なつながりを解明する「森里海連環学」の創生をめざした京都大学フィールド科学教育研究センターが2003年に発足した。日本財団は、「森里海連環学」の視点を評価し、全学共通科目として森里海連環学を基礎として陸域と海域の総合的な生態系管理を教育する「海域・陸域統合管理論」に対して、2005年度より助成を開始した。2006年度には、同様に「森里海連環学」、およびフィールドで実体験させる「森里海連環学実習」についても助成が開始された。この様な京大フィールド研と日本財団のつながりの中で、これまでの森里海連環学に関する教育・研究をさらに充実させることを目的として、日本財団より助成講座助成の提案があり、2008年10月から「海域陸域統合管理学研究部門」が発足した。

海域陸域統合管理学研究部門は何をするのか?

教育

全学共通科目として「森里海連環学」、「沿岸環境保全学」(「海域・陸域統合管理論」より改称)、「森林学」、「水圏生物学入門」、そして実習科目である「森里海連環学実習(A:由良川-舞鶴湾; B:古座川-串本湾; C:別寒辺牛川-厚岸湖-厚岸湾)など、海域と陸域の統合管理に関連する科目を提供している(実習Cは北海道大学との合同実習)。

研究

海域陸域統合管理学研究部門ではいくつかの河川とその流域および沿岸域を対象とした森里海連環学の研究を行っている。2008年には、由良川と別寒辺牛川についての研究が行われた。2009年度から仁淀川での研究を加えて行っている。また、ダムの沿岸を含む流域環境への影響問題に関して、豊川で環境経済学的な研究を開始した。さらに、フィリピン・ミンダナオ島における陸上の利用形態(森林伐採・プランテーション)と沿岸の藻場やジュゴンの個体数変動の関係について研究を進めている。

社会教育・地域連携

森里海連環学を一般の人にも発信するために、市民を対象とした公開講座を行っている。合同市民公開講座を2008年度は神戸大学と共同で行った。また、地方で地元の人と一緒になって流域の森里海連環を考える地域連携講座を北海道厚岸町などの別寒辺牛川流域、京都府の由良川流域、高知県仁淀川流域などで行っている。


PAGETOP