日本動物心理学会 第69回大会(2009年10月,岐阜大学)
   −博士課程1年 高橋宏司氏 優秀発表賞受賞−


舞鶴水産実験所で研究を行う博士課程大学院生の高橋宏司君が、日本動物心理学会第69回において、優秀発表賞を受賞した。受賞対象となった発表は「海産魚マアジの学習能力の個体発生に伴う変化」で、著者は高橋宏司・益田玲爾・山下洋である。
ポスター部門の受賞候補者が9名いる中、審査員による評価で次点となる優秀賞を受賞した。
 舞鶴周辺の海域で採集した体長2-9cmのマアジについて、Y字迷路を用いて学習能力を調べ、体長5cmを境に学習能力が急激に高まることを報告した。稚魚の採集場所(沖合または沿岸)によって学習能力に差がないことから、学習能力の発達は個体発生に伴う内的な変化によるものであろうと考察している。
 実験材料として水産上の重要魚種を用いているものの、研究の内容はむしろ実験心理学に近いため、今回は動物心理学会に参加し、優秀発表賞を受賞してきた。心理学分野の研究者から、生態を考慮した新奇な研究との評価を得たようである。なお、上記研究内容については、投稿論文としてのとりまとめがほぼ完了し、まもなく国際誌へ投稿の予定である。
 

(文責:益田玲爾)

エチゼンクラゲに寄りついたマアジ稚魚の採集風景 Y迷路の操作