平成21年度日本水産学会中国・四国支部大会 (2009年11月,広島市)
   −修士課程1年 宮島悠子氏 最優秀発表賞受賞−


舞鶴水産実験所で研究を行っている修士課程大学院生の宮島悠子さんが、日本水産学会中国・四国支部大会において、最優秀ポスター賞を受賞した。
19件の発表に対し聴衆が投票する形式をとり、有効票32票のうち8票を集めての最優秀賞受賞とのことである。同大会では前日にクラゲに関するシンポジウムがあったため、広島で開催された同大会での発表を決めた。
 授賞した研究発表のタイトルは「エチゼンクラゲに対するウマヅラハギの捕食圧の推定」で、著者は宮島悠子・益田玲爾・山下洋である。魚類によるクラゲ捕食については、現象としては多くの研究者が報告しているものの、捕食量を定量的に調べた研究はこれまで皆無であった。本研究では,舞鶴市冠島(かんむりじま)周辺で採集したエチゼンクラゲとウマヅラハギをフィールド研舞鶴水産実験所へ持ち帰り、ウマヅラハギに活きたエチゼンクラゲを与えて捕食量を測定した。また、摂餌行動の観察(朝5時から夜7時まで毎時1回および夜11時の目視観察!)や、天然で採集されたウマヅラハギの胃内容物調査も行っている。一連の研究から、ウマヅラハギは一日で自分の体重の約10倍ものエチゼンクラゲを消費することが示された。恵まれた調査フィールドと充実した飼育施設、そして体力と根性をフルに稼働した研究といえる。
 

(文責:益田 玲爾)

摂餌行動の観察風景。舞鶴水産実験所の屋外飼育施設にて エチゼンクラゲを捕食するウマヅラハギ。実験開始2日後。