共同研究「間伐材魚礁設置」

フィールド科学教育研究センター 教授 山下 洋


2004年5月20日、21日の2日がかりで、舞鶴水産実験所東側水深7mの地点に間伐材魚礁を設置致しました。間伐材魚礁は、芦生研究林のスギを縦横1.5m、高さ1.3mの井桁に組んだもの3基、同じ形に広葉樹(ブナ、ミズメ、シデ、アオハダ、ウリハダカエデ、カエデ、クリの混成)を組んだもの3基からなり、対照区の塩ビパイプ魚礁3基と合わせて、9基を設置致しました。今後、潜水による魚類の蝟集状況や間伐材の変化の観察、水質調査、プランクトン・ベントス調査などにより、樹木からの科学成分の溶出と海の中での生物生産との関係を中心に様々な角度から研究を行う予定です。また、スギ魚礁近くに全方位カメラを設置し、総合博物館企画展で映像を公開致します。

間伐材魚礁の作製においては、4月上旬から芦生研究林の皆さんに木材の切り出し等の準備を進めて頂きました。20日には、芝先生と林さんがユニック付きのトラックに魚礁6基分の間伐材を積んで(広葉樹はすでに組んだ状態で)舞鶴まで運搬し、魚礁の組み立てと海への投入作業のお手伝いを頂きました。水産実験所一同心からお礼申し上げます。

昨年1年間、森里海連環学の基礎的な理論構築と予算獲得のための営業活動を展開してきたわけですが、今年度から実際の研究にも着手せねばなりません。太平洋側の古座川プロジェクトと並行して、日本海側では若狭湾プロジェクトを開始したところです。間伐材魚礁のほか、若狭湾に流入する由良川を含む6河川の流域から沿岸域までの調査・研究にも早急に取りかかる予定です。

- 間伐材魚礁設置の 様 子 -

関連新聞記事は こちらのページ (PDF 384k)
  (2004年5月22日 京都新聞 朝刊29面):使用承諾済
関連新聞記事は こちらのページ (PDF 513k)
  (2004年5月25日 舞鶴市民新聞 夕刊):使用承諾済