少人数セミナー「節足動物学入門」(報告)


担当教員:フィールド科学教育研究センター 講師 宮崎 勝己

日程
6月 1日(木)〜 6月 2日(金):オリエンテーション・講義(於 フィールド科学教育研究センター小会議室)
8月28日(月)〜 9月 1日(金):実習(於 フィールド科学教育研究センター瀬戸臨海実験所)

 昨年度に引き続き、少人数セミナー「節足動物学入門」を、上記の日程で講義と実習を組み合わせる形で行った。受講生は理学部2名、経済学部1名の、計3名であった。オリエンテーションでは、セミナーの概要説明、自己紹介、今後の日程調整を行った。講義では、節足動物の生物学についての概説をパワーポイントを用いて行った。また、ある無脊椎動物学の英語の教科書から、節足動物の特徴をまとめた部分を抜き出したものを配布し、その和訳を宿題として課し、後日郵送ないしメールへの添付で回収した。宿題については、後日模範解答と共に、各受講生に返送した。
 実習の内容はほぼ前年度を踏襲し、初日にオリエンテーションと所内見学を、二日目午前中に捕虫網を使った採集と午後に土壌サンプルの採取と簡易ツルグレン装置を使った土壌性節足動物の採集を、三日目は京都教育大学の臨海実習と合同の形で水族館の節足動物の観察と畠島実験地での海産節足動物の採集を、四日目は実験所周辺海岸での打ち上げ海藻からの節足動物の採集を、それぞれ行った。採集物より、その都度節足動物をソーティングし、図鑑等による同定作業を行った。四日目午後と五日目午前はレポート作成に充て、今回採集された節足動物とその生息環境との関連について考察させ、節足動物の生活域の進化に関する推論を試みさせた。レポート提出後、後片付け・掃除を行い、解散とした。
 今回は昨年度に引き続き、二度目の開講となったが、昨年度の反省点を含め、実習の時間配分はかなり改善できたように思う。実習中の食事も昨年度と同じく全て自炊としたが、いろいろと手助けする事で、今回は負担も少なく、受講生間の親睦を図るという当初の目的をうまく果たす事が出来た。今回、実習日程の都合上、京都教育大学の臨海実習と一日だけ合同で行ったが、違う大学の学生との交流は、結果として受講生にはよい刺激となった。
 今回もまだまだ試行錯誤の部分が多かったが、3名の受講生達には、皆最後まで熱心に取り組んでくれた事に、感謝したいと思う。


− 実 習 の 様 子 −

採集物の同定作業風景 土壌動物採集用の簡易ツルグレン装置