平成19年度 少人数セミナー 「魚類心理学入門」  報告



講師:フィールド科学教育研究センター里域生態系部門
沿岸資源管理学分野 准教授 益田 玲爾



 ポケゼミを担当するようになって4年目になった。本年度は募集人数10人ちょうどの参加で始まった。講義のタイトルは以下の通りであった。

  第1回 研究の道具としてのスキューバ潜水
  第2回 群れ行動の発達心理学
  第3回 魚類心理学を栽培漁業に活かす
  第4回 魚の行動から海の資源の未来を読む
  第5回 回遊魚の行動学
  第6回 研究というゲームの楽しみ方

 講師自身の研究成果を中心に1時間弱の講義を行い,その後フリーディスカッション,さらに簡単なレポートを書いてもらい,このレポートをもとに次回の講義を組み立てるという構成をとった。最終回には「プレゼンテーションの奥義」というコーナーも設け,講師が一番最近に行った学会発表を例に,口頭発表やポスター発表の技術を伝授した。
 実習では,7月6日金曜日に学生らが舞鶴に到着し,まずガイダンスを行った。この実習には,見学を希望していたスタンフォード大学の学生1名にも参加してもらった。講義で地産地消や食の安全の話もしていたので,食事は3食とも自炊することにした。土曜日は,ご飯,味噌汁,ハタハタの干物,茄子とキュウリの浅漬けの朝食のあと,皆で握り飯を作り(初めてという学生もいた),市内の三浜海水浴場へ.本年,「ととのいえ」という海浜施設がオープンしたため,こちらのシャワーと更衣室を利用した。午前中は調査用ネットにより稚魚を採集し,午後はシュノーケリングで砂地や岩場の魚や無脊椎動物を観察した。帰りにスーパーの鮮魚コーナーで食材としての魚について理解を深めたのち,夜は実験所の院生らと共にバーベキューを楽しんだ。翌日曜日には西舞鶴の京都府漁連を見学した。