平成19年度 少人数セミナー 「原生的な森林の働き」  報告



講師:フィールド科学教育研究センター森林生物圏部門
森林環境情報学分野 講 師 中島 皇



 今年度も5月、6月に1回ずつ北部キャンパスで、7/1(日)には1dayセミナーを上賀茂試験地で、2泊3日の合宿形式セミナーを芦生研究林で行った。参加者は4名(男4)(学部別:工1、農3)と比較的少なく、ゆっくりしたゼミが行えた。セミナーの目的は、フレッシュな新入生諸君がフィールド(森林)に出て自ら体験し、自然と人間の関わり方に興味を持つようになることである。
 芦生での集中セミナーは、7/16(土):今年は台風のために中止も考えなければならない様子。コースは、外れていくとの予報なので取り敢えず芦生に集合した。しかし、雨は激しく本流沿いの観察は事務所構内の近くのみとなった。夕食は計画通りスパゲティー。夜は、芦生研究林の概要説明と研究林が抱える問題点や環境の議論を行った。
 7/17(日):台風の影響が残っているためか天気はあまり良くない。小雨の中、昼食を作って出発。途中、大面積・長期プロットと暖温帯と冷温帯の境界について説明を受けた。モンドリ峠の林道では、水たまりにモリアオガエルの卵が落ちており、興味津々で触っていた。上谷の歩道でも雨。結局、昼食は河原で、雨の中食べることになった。長治谷からは量水堰、大桂、二次林と人工林を観察しながら、幽仙谷では天然林からの流出物を回収して、宿舎に持ち帰った。夕食はカレーライス、たくさん食べて、その後の流出リターと水棲昆虫の分別に精を出した。
 7/18(月) 分別した水棲昆虫と木の葉をデッサンし、流出物の量をレポートにまとめた。感想文には、雨の中、原生的な森林を自分の足で歩き、色々な植物や動物に触れた 感動が表現されていた。最後に宿舎・食堂の片付けとフィールド研からのアンケートを書いてセミナーは終了となった。

 (番外) 4回生版ポケゼミ
 今年はうれしい連絡があった。3年前のポケゼミ生たち(文2、経1、理1、農2)が、もう一度、皆で芦生に行きたいと。3年後の芦生を見て感想文をちゃんと提出するならとの条件でOKを出した。9月14日〜16日、イギリスへ研修中の文学部の1人を除いた懐かしい顔が集まった。農学部の2人は、大学院進学予定で、装備も芦生に十分耐えうるものであった。夕食後のアルコールが入った議論では、就職する人たちもしっかりした視点を持っているようで、頼もしく感じられ、3年間の成長が見て取れた。また、チャンスがあれば感想文をご紹介したい。