平成19年度 少人数セミナー「有機農業の可能性・・・持続可能な農業をめざして」報告



講師:フィールド科学教育研究センター北白川試験地
里域資源保全学分野 講師 西村 和雄



 07年度の少人数セミナーはカリキュラムが重なったために辞退した一人を除いて九名だった。四月中旬から毎週一時間ていどの座学を行い、有機農業の意味、有機農業の実際的な栽培方法、そして有機栽培によって生産された農産物の特徴と、本物のおいしい野菜の見分け方について講義した。
 実習としては、北白川試験地の苗畑を0.5アールほど使用して、畝を立て、サツマイモ(高系14号)の苗を五十本植栽した。苗の植え付け方について説明したのち、それぞれが五本余の苗を植えた。植栽後の管理は西村が担当し、ボカシ肥えを一回施用した。以降の管理は雑草の除去で、これが結構頻繁にしないとすぐに草が生えてくる。  昨年の夏は梅雨が少雨であったこと。その後に干ばつと高温が続いたせいで、サツマイモの生育がかなり悪かった。 サツマイモとは別に、落花生を二百粒ほど畝に埋め込んだ。埋め込んだのは五月中旬で、サツマイモより二週間ほど遅く植え付けた。落花生はマメ科植物で深根性であるため、旱魃気味の天候でも枯れることなく順調に生育を続け、大きな株に成長した。
 サツマイモは十月の初めに掘り起こし、そのまま乾燥保管した。落花生は少人数セミナーの学生諸君と一緒に掘り起こして落花生を収穫した。
 収穫物は十一月祭の始まる直前に、集まって食べた。サツマイモは炭で炙りながら焼き芋とし、落花生は殻ごと塩水で茹でた。学生諸君にはサツマイモはなじみがあったようだが、落花生については初めての体験だったようで、殻を割りながら頬張り、美味しいを連発していた。
 有機農業を主題とした少人数セミナーは、西村教員が辞職するため07年度で終了した。