リレー講義 『海域・陸域統合管理論』

1.開講日時、場所、対象
 平成17年度(金曜日4限目14:45〜16:15、吉田南総合館、共北27)
10月7日から13回(1月27日終了)。全学年、文系、理系を問わない。

2.授業のテーマと目的
 人類の80%は沿岸域に生活の基盤を置いている。そして沿岸海洋は、そこにすむ人間の活動に起因する環境影響が集約される場所であるため、深刻な危機に直面している。このような沿岸域の環境を保全するために有効な方策を立案するためには、海洋のみならず陸域へも目を向ける必要があると同時に、理科系に加えて、法律・経済など文科系の視点からも検討する必要がある。そこで本講では、沿岸環境の保全と管理に関連する事項を多角的に論究する。

3.構成
第 1− 3回(10月 7日,10月14日,10月21日)
沿岸海洋学の基礎              ― 白山義久(*フィールド研教授)
本講の概要説明および沿岸の海洋を理解するのに必要な基礎的事項の解説を行う。

第 4− 6回(10月28日,11月 4日,11月11日)
森里と沿岸海洋との連環            ― 竹内典之(*フィールド研教授)
                      ― 西村和雄(*フィールド研講師)
沿岸環境に重大な影響を与える森林および里と沿岸海洋との関連について解説する。

第 7− 8回(11月18日,12月 2日)
森里海の持続的な経済マネジメントシステム  ― 有路昌彦(アミタ株式会社持続可能経済研究所・主席研究員)
森里海の経済的な相互連関において、環境への影響を考慮すると、どのような経済システムが持続性確立の上で最適なのかを解説する。

第 9−10回(12月 9日,12月16日)
沿岸管理と法律               ― 磯崎博司(明治学院大学・教授)
環境管理に不可欠な,行政の役割と関係の国内法令・国際法などについて解説する。

第11−12回( 1月 6日, 1月13日)
統合的沿岸環境管理論            ― 松田 治(広島大学・名誉教授)
沿岸環境を統合的に管理するために必要な論点を解説する。

第13回  ( 1月27日)
海域・陸域統合管理論シンポジウム
森里海連環学と海域・陸域統合管理論の2講座の合同シンポジウム。学生の出席を取る。

 *フィールド研:京都大学フィールド科学教育研究センター

4.評価の方法:
各講師が講義時間内で、課題を与え試験をする。各講師の評価(20点満点で採点)を合算し、出席状況を加味して、成績とする。