教育

 設定当初の演習地では砂防植栽実習の記録がある。本学から遠く実習施設も不十分なために教育利用は少なかったが、フィールド研に改組された2003年から、少人数セミナー(ポケゼミ:全学共通教育科目(1回生))が実施されている。現在は「瀬戸内に見る森里海連環」をテーマにしたフィールド実習(合宿形式)の集中講義が毎年8月上旬に、試験地周辺と末武川の源流から海までをフィールドに実施されている。

 
周南西緑地大賀ハス池の前           末武川実習マップ                末武川源流、魚切の滝               末武川河口にて

                                                                            

試験研究

檜皮1
                檜皮実験林   原皮師による剥皮
所管換え以前に植栽された高齢ヒノキ林に「檜皮実験林」を設置し、1998年から檜皮の採取が生立木の成長や材質に及ぼす影響を継続調査している。これは、檜皮などの文化財修復用資材や技術者が不足するという近年の社会的背景によって、文化庁による資材確保のための調査・研究に協力して、全国大学演習林協議会が取り組む基礎的研究の一翼を担っている。これまでの調査では剥皮によって成長量に顕著な変化が見られるデータは得られていない。


全国大学演習林協議会の調査結果(科研報告書より)


 この他、1972年に長期モニタリングサイトとして調査区が設定され、天然生二次林の遷移を調べるための調査が続けられている。 

社会連携

 

      フィールド散策                  水質測定実習                    環境学習

周南市連携講座・連携公開講座
    初代試験地が旧徳山町から土地の寄贈を受けて始まったことや、2代目試験地が周南西緑地として京大演習林が植えた樹木が今も立派に生育して、市民の憩いの場となっていることなどから、2010年に周南市との連携事業を開始した。講義とフィールドの見学などを年に3回行うことになった。ふれ込みは「京大の全学共通科目である森里海連環学や森林学の講義の1コマ(90分)を無料で聴講できる」。狭い講義室は熱心な参加者でいっぱいになる。

環境学習教室
    未来を担う子供達の声が試験地に響くことにも力を入れている。地域の公民館が企画した事業に秋の一日協力した。参加者は、午前中に試験地 の見学と、途中で採取してきた植物を使って、それぞれにオリジナルの図鑑を作成した。午後からはボランティアの講師による指導で、ネイチャーゲームを楽しみながら環境について学んだ。実物を見て、本物に触れ、自分自身で確かめるという大切な体験ができる学習の場として開放している。