ポケゼミ報告2010「魚類心理学入門」

沿岸資源管理学分野 益田 玲爾 准教授


 昨年度はお休みしていたポケゼミを本年度は再開した.募集人数10人のところ,これより若干多い応募があったと聞く.「共通教育通信」に紹介記事を書いたため,それを読んで来た学生もいた.講義は以下のタイトルで6回行った.

  第1回 研究の道具としてのスキューバ潜水
  第2回 群れ行動の発達心理学
  第3回 魚類心理学を栽培漁業に活かす
  第4回 魚の行動から海の資源の未来を読む
  第5回 回遊魚の行動学
  第6回 研究というゲームの楽しみ方

 講師自身の研究成果を中心に1時間弱の講義を行い,その後フリーディスカッション,さらに簡単なレポートを書いてもらい,このレポートをもとに次回の講義を組み立てるという構成をとった.最終回には「プレゼンテーションの奥義」というコーナーも設け,講師が一番最近に行った学会発表を例に,口頭発表やポスター発表の技術を伝授した.
 実習では,7月2日金曜日に学生らが舞鶴に到着し,まずガイダンスを行った.講義で地産地消や食の安全の話もしていたので,食事はなるべく自炊することにした.土曜日は,朝食のあと,市内の三浜海水浴場へ.漁協の運営する海浜施設「ととのいえ」のシャワーと更衣室を利用し,昼食は同所でサザエご飯とエイの煮付けを頂いた.調査では,ネットにより稚魚を採集し,シュノーケリングで砂地のカレイや岩場ハゼ類,ウミウシ類などを観察した.帰りにスーパーの鮮魚コーナーを見学し,食材としての魚について理解を深めた.今年は天気が悪く,外でのバーベキューは無理と判断し,スペアリブを室内で焼き,買ってきたマアジをたたきに,ブリを刺身にして頂いた.翌日曜日には西舞鶴の京都府漁連のセリを見学した.

写真1 農学部棟の北にある空調不要の快適空間,木造建築jPodで行われる講義(4月14日)
写真2 フィールド実習の朝飯は,ご飯,味噌汁,ハタハタの干物,キュウリとワカメの浅漬け,自家製梅干など.
写真3 舞鶴市小橋の漁協施設「ととのいえ」で着替えて,網を曵いたり,シュノーケリングにより魚を観察したりする.昼食もこちらで頂いた(7月3日)
写真4 海水浴場で桁(けた)網を曵くと,カレイやヒラメなどの稚魚が採集できる(7月3日)
写真5 海に入れば雨なんてあまり関係ない,といった顔でドロメの稚魚を観察するポケゼミ生.
写真6 夕食のあと,スイカの皮から元の形を組み立てるという立体ジグゾーパズルのようなゲームをして,意外な難易度の高さにハマった.
写真7 西舞鶴にある京都府漁連の卸売市場でセリを見学し,その日とれた魚を見せてもらう(7月4日)

ニュースレター22号 2011年3月 教育ノート では写真1,3,4,7を掲載しました。