海域陸域統合管理学セミナー

海域陸域統合管理学研究部門 向井 宏


 海域陸域統合管理学研究部門では、全学共通科目として提供している「森里海連環学」、「海域陸域統合管理学」、「森林学」、そして実習科目である「森里海連環学実習」、来年度から公共政策大学院で提供する「環境政策評価論」など、海域と陸域の統合管理に関連する科目をいくつかマネージメントしています。これに加えて、より最新の研究に根差した学術的知見に関する意見交換の場を設けるという意図をもって、昨年11月から、「海域陸域統合管理学セミナー」を毎月1回の頻度で開催しています。このセミナーは、教員・研究員、院生・学部生を問わず、また文系・理系を問わず、多様な人々が自発的に参加し、各自の学術研究の成果を吟味し合い、自由闊達に意見交換して、「海域陸域統合管理学」という新たな学問領域を開拓していくものであります。
 まだ開始されて間もないセミナーではありますが、本年2月で4回目の開催を数えます。最初の3回は、海域陸域統合管理学を発展させていくにあたって中心となる当部門の特任研究員が研究報告をしました。第1回目は、杉本亮・教務補佐員による「内湾域の富栄養化と物質循環~伊勢湾を例にして~」、第2回目は佐藤真行・特任准教授による「環境の経済分析とプロジェクト評価」、第3回目は筆者による「バナナとエビとジュゴン」と題する話題が提供されました。毎回、話題提供に対する質疑応答の後に、海域陸域統合管理に向けた議論が展開されます。提供される話題のベースは、生態学や経済学などバラエティに富んでいます。しかしいずれも、取り組む観点や方法論が異なるものの問題意識には共通の部分が見出されます。同じ問題を様々な角度から見られること、これが分野を異にする研究者が同一問題を議論することのもっとも有益な部分ではないでしょうか。とくに当部門は既存の学術分野の境界を超えた取り組みを指向しています。その前提となる相互理解のためにも、このセミナーは一定の役割を果たしていると評価できます。
 今後は、発表者や参加者の輪を広げていって、ますます多様で、しかし海域陸域統合管理学の発展という共通の目標をもった有志の集う場として、本セミナーを開催していきます。少しでもご関心のある方はぜひ一度、参加してみてください。

ニュースレター16号 2009年3月