ポケゼミ案内2015「海岸生物の生活史」

担当:フィールド科学教育研究センター准教授・久保田 信(くぼた しん)

■ 日 程:2015年5月3日~5月6日

■ キーワード:磯浜観察/漂着物/水族館/瀬戸漁港/海洋生物の歌

■ 授業の概要・目的
 多種多様な海岸生物について、南紀白浜(和歌山県)の磯浜の様々な生息場所や敷設の水族館、およびラボで観察し、各種の生活史に思いを巡らすことで生命の生き様の基礎を体得・考察する。

■ 到達目標:多様な海洋生物の各分類群を自身の目で観察し分類できるようになる。

■ 授業計画と内容
 和歌山県西牟婁郡白浜町に所在する瀬戸臨海実験所周辺の磯・砂浜・港を歩き、多様な生物群を観察する。それらのラボでの観察も加えるとともに、実験所が有する水族館で飼育展示中の大形動物も観察する。さらには、様々なビデオライブラリーも用いる。
 以上のようなフィールドワークとラボでの観察を通し、海岸に多種多様な動物がそれぞれ独特の形態と生態で、様々な生息場所でユニークな生活していることを体得する。さらには、各種の卵から親までの一生のダイナミックな変化を知ることで、「生命の生き様の基礎」を把握する。最後に、生活史の研究を通し発見できた動物界唯一の不死で若返る「ベニクラゲの生活史逆転」についても観察する。
 実施時期は、2015年5月3日~5月6日で、初日3日の16時に京都大学フィールド科学教育研究センター瀬戸臨海実験所(和歌山県西牟婁郡白浜町459)の実習室に集合して開始する。

■ 履修制限の方法:教員による選抜
 受講希望者は予備登録を行ってください。男女2名ずつを学部が重ならないように選抜する。
 *担当教員が受講者を選抜する科目も予備登録が必要です。

■ 履修要件:生き物と歌が大好き人間

■ 成績評価の方法・観点及び達成度:実習中に毎日まとめるレポートを最終日に提出して評価

■ 教科書
 久保田 信 『宝の海から-白浜で出会った生き物たち』(紀伊民報2006年発刊) ISBN:4-907841-04-3 C1045 定価:2,000円(税込み)
 白浜の海に出現する単細胞の原生生物からクラゲ類、貝類、甲殻類、魚類やクジラ類までの多様な生き物、計540種を生物学的に紹介した見開き1話(モノクロ写真か表の2枚を本文中に配置)で101話。巻頭8ページに本文に登場する生物のカラー写真74枚を実験所周辺の海岸写真を背景に図示。B5版233頁。白浜、ひいては亜熱帯から温帯性の海岸生物を知る絶好の書物。

■ 参考書等
 久保田 信 『地球の住民 動物篇』(紀伊民報)ISBN:978-4-907841-06-5(不思議な動物たちがコンパクトに写真や図入りで紹介、歌やナレーションもある動物を楽しく知る必読書)
 久保田 信 『神秘のベニクラゲと海洋生物の歌“不老不死の夢”を歌う』(紀伊民報2005年発刊)ISBN:907841-03-5(不死のベニクラゲの2005年までのあらゆる日本の情報と海洋生物の歌のリスト)
『クラゲのふしぎ』技術評論社 もあわせてご覧下さい。

京都大学附属図書館電子情報掛作成の KURENAI(紅)にアクセスし、発表・レポートなどの参考に読破を希望します。

久保田 信の執筆論文などはオープンアクセスの学術情報リポジトリ、KURENAIにほとんどが登録されています。
KURENAI にアクセスし、「Kubota, Shin」または「久保田, 信」で検索してください。他のキーワードでご関心のある論文を検索することもできます。

■ 関連URL
http://www.benikurageman.com(単行本やCD/DVDの概要と試聴が可能)
http://www.seto.kais.kyoto-u.ac.jp/shinkubo/index.html(瀬戸臨海実験所のほぼすべてがわかります)
http://fserc.kais.kyoto-u.ac.jp/ (母体であるフィールド研の紹介です)
http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/ (京都大学学術情報リポジトリKURENAI)
http://www.z.k.kyoto-u.ac.jp/pdf/link/link0233.pdf(共通教育通信第5号pp.4-6(2005年)この紹介が掲載されています。)

■ 授業外学習(予習・復習)等
 参考書「宝の海から」中、最も興味あった1話を選び、白浜で実地に観察した後、参加者全員の前で解説・発表できるようになること。

■ その他(オフィスアワー等)

  • フィ-ルド観察が主体なので、万が一の事故に備え、学生教育研究災害損害保険等の傷害保険に必ず加入すること。
  • 日差しがきつい日もありうるので、日焼防止の長袖・長ズボン・帽子を持参。
  • 海に入っても大丈夫なように、すべらないフィールド用の運動靴をはくとよい。
  • 海洋生物に関する図鑑や参考書など持参するとよい。本実習にたいへん参考となる拙著は、白浜で入手できます。(京大生協ルネであらかじめ入手可能)
  • 旅費(交通費)は受講生の負担となりますが、滞在費は格安です。(授業なので宿泊代金は無料など)

久保田 信(くぼた しん)
 京都大学フィールド科学教育研究センター海域ステーション瀬戸臨海実験所
 〒649-2211  和歌山県西牟婁郡白浜町459
 Tel: 0739-42-3515   Fax: 0739-42-4518
 e-mail:  kubota.shin.5e*kyoto-u.ac.jp(*を@に変えて下さい)