上賀茂試験地における薪ストーブの使用実績

上賀茂試験地 林 大輔


 上賀茂試験地ではマツ枯やナラ枯の伐倒処理木を薪として活用するため、2008年度より事務室に薪ストーブを設置し利用しています。試験地で運用している薪ストーブについて、このほど薪消費量から灯油の消費と二酸化炭素(CO2)排出の削減量を推計しました。その結果、2017年から2018年にかけての寒候期に消費した薪の重量は2.33トンで、薪の発熱量と同等の熱量を発生させるには上賀茂試験地が所有する灯油ストーブを使用した場合、708.1リットルの灯油が必要であることが分かりました。木質バイオマスの利用で発生するCO2は植物の成長過程における吸収量と相殺されるというカーボンニュートラルの考え方によると、その灯油の燃焼によって発生するCO2 1.76トンの削減効果があったとみられます。
 これまで薪の使用量は積まれた薪の体積を測定するのみでしたが、今期は消費した薪の重量と薪の含水率も測定し、ストーブのカタログ値、統計資料などから灯油の量に換算しました。
 CO2排出という観点から薪ストーブの運用コストを評価するには、薪の生産や運搬時における燃料消費、灯油精製・運搬時の排出量など多くの条件も考慮する必要があります。今回の推計はその一部を示すものと言えます。
 薪ストーブには、管理の手間や出勤時になかなか部屋が暖まらないという弱点もありますが、休憩時にコーヒーを淹れたり、餅を焼いたりできるほか、木の香りや揺らめく炎など職場環境の向上にも一役買っています。今後は伐倒処理木だけでなく、境界や林道の支障木、風倒木等も薪として有効活用していく予定です。

ニュースレター45号 2018年6月