舞鶴ナマコシンポジウム 日本海研究集会

2018年11月17日(土)、舞鶴市制記念館舞鶴赤れんがパークにおいて,水産海洋学会,舞鶴市との共催で,第8回日本海研究集会「京都府沿岸のマナマコ資源の効率的な利用に向けて」「舞鶴ナマコシンポジウム~ナマコを知ろう,増やそう,役立てよう~」を開催しました(92人)。



第8回 日本海研究集会「日本海のナマコ資源の効率的な利用に向けて」
舞鶴ナマコシンポジウム ~ナマコを知ろう、増やそう、役立てよう~

【日時】2018年11月17日(土) 13:00 – 17:00
【会場】舞鶴市政記念館 赤れんがパーク 2号棟1階ホール(京都府舞鶴市字北吸1039番地の2)
【詳細等】
 チラシPDFをご覧ください  ※参加無料、申込不要

【問い合わせ】舞鶴水産実験所
 TEL: 0773-62-5512  E-mail: maizuru*adm.kais.kyoto-u.ac.jp (*を@に変えてください)

【主催】京都大学フィールド科学教育研究センター舞鶴水産実験所
【共催】一般社団法人 水産海洋学会、舞鶴市

(報告)

第8回日本海研究集会「京都府沿岸のナマコ資源の効率的な利用に向けて」「舞鶴ナマコシンポジウム~ナマコを知ろう,増やそう,役立てよう~」

舞鶴水産実験所長・里海生態保全学分野 教授 益田 玲爾

 11 月17 日に舞鶴赤れんがパーク2 号館(舞鶴市市政記念館)において,第8 回日本海研究集会「京都府沿岸のナマコ資源の効率的な利用に向けて」を開催した。このシンポジウムは,フィールド研舞鶴水産実験所が主催し,水産海洋学会および舞鶴市との共催で準備した。市民向けの副題として「舞鶴ナマコシンポジウム ~ナマコを知ろう,増やそう,役立てよう~」と銘打ち,事前の新聞報道やポスターの配布等の広報にも努めた。
 司会は舞鶴水産実験所の大学院生の笹野祥愛さんにお願いした。山下洋教授の趣旨説明のあと,舞鶴水産実験所の益田から「水中から見たマナマコの生態と行動」,同・澤田英樹助教から「舞鶴湾と宮津湾におけるマナマコの分布」と題して,それぞれ研究成果を報告した。
 続いて,宮津なまこ組合の漁業者である栗田紘一氏から,「宮津湾におけるマナマコ資源の管理」として,漁業管理の実際の様子を紹介頂いた。また,京都府立海洋高等学校の長岡智子教諭から,「高校生によるマナマコの人工採卵と種苗生産の取り組み」として,高校生が漁業者や研究者と連携して活動する様子について教えて頂いた。京都府農林水産技術センター海洋センターの篠原義昭氏からは,「宮津湾におけるマナマコの成長と資源量」として調査研究の成果を披露してもらった。
 招待講演者である一橋大学社会学研究科の赤嶺淳教授からは,「国内外におけるナマコ資源の現状と流通の実態」として,古今東西のナマコにまつわる興味深いお話を聴かせて頂いた。最後に舞鶴市水産課の木村裕氏から,「舞鶴のマナマコの管理と利用に向けて」として,舞鶴市における漁業政策や観光との連携の展望を示して頂いた。
 来場者92人の内訳は,学生,漁業者を含む勤労世代,主婦,シニア,そして研究者と幅広かった。来場した海洋高校の生徒さんが講演ごとに熱心に質問するのには感心した。ナマコ加工業者や市内の割烹からは,ナマコ料理の展示と試食も提供頂いた。懇親会では,赤嶺教授を京都府産のナマコ料理でおもてなしした。事前の広報が奏功して,荒天および他のイベントとの重複にもかかわらず,まずまずの来場者があり,市民向けの講演会としては十分な盛り上がりだった。また,ナマコのスペシャリストである赤嶺教授と京都府や舞鶴市の行政職員・漁業者がつながるなど,ネットワーク作りにも貢献できたと思う。

年報16号 2018年度