性淘汰が生物多様性を維持することを解明 / Sexual selection sustains biodiversity

2018年11月14日、小林和也講師が執筆した「性淘汰が維持する生物多様性」に関する論文が、英国の国際学術誌「Journal of Ecology」にオンライン掲載されました。
On November 14, 2018, a paper authored by Kobayashi Kazuya Junior associate professor was published online in “Journal of Ecology”.

Kazuya Kobayashi.
(小林和也)
Sexual selection sustains biodiversity via producing negative density-dependent population growth.
(性淘汰が生物多様性を維持することを解明 -身勝手な競争が集団サイズを安定化させる- )
Journal of Ecology, (2018)

DOI: https://doi.org/10.1111/1365-2745.13088 (電子ジャーナル閲覧のための認証が必要です)

 本研究では性的嫌がらせ(生まれてくる子供の数が減ってしまうかわりに競争相手よりも自分の子供の割合を高める性質)に着目しました。性的嫌がらせは、交尾を巡って競争する場合には有利ですが、競争相手が不在で確実に交尾が出来る場合には子供の数が減ってしまうため不利になります。
 個体数が多く交尾を巡る競争が激しい場合には、嫌がらせによって子供が減ってしまいますが、数が少なく競争が起こらない場合には、嫌がらせが起きにくいため子供が増えます。結果、数が多い種では激しい嫌がらせが個体数の増えすぎを防ぎ、逆に少ない種では嫌がらせが起こりにくいため数が増えやすくなります。(小林和也)

*本研究における「性的嫌がらせ」とは自然界の繁殖行動上の現象を示す生態学の用語であり、社会問題としての「性的嫌がらせ」(セクシュアル・ハラスメント、セクハラ)とは一切関係ありません

 詳しくは、京都大学ページの研究成果発表「性淘汰が生物多様性を維持することを解明 -身勝手な競争が集団サイズを安定化させる-」Sexual conflict: a key to sustaining biodiversity)、および 解説PDFファイル を参照下さい。

(公開 2018-11-15/ 修正 2018-12-07 (タイトルなどの英語表記を削除) 、2018-12-13 08:44 (掲載論文タイトル修正を反映、京大英語ページへのリンクを追加、タイトルに英語表記を追加))