少人数セミナー「魚類心理学入門」(報告)


担当教員:フィールド科学教育研究センター 助教授 益田 玲爾

 ポケゼミを担当するようになって3年目になった。初年度は5名、昨年は10名の希望者がいたので、今年の受講希望者は20名、倍率2倍くらいになるだろうと予想していたら、初日の講義に現れたのは2人だけだった。気を取り直して、その2名に用意してきたレジメを5部ずつ渡し、「各自4部ずつ、友達に配るように」との指令を出した甲斐もあり、ようやく2回目からは4名の参加となった。

 講義のタイトルは以下の通りである。
第1回 研究の道具としてのスキューバ潜水
第2回 群れ行動の発達心理学
第3回 魚類心理学を栽培漁業に活かす
第4回 魚の行動から海の資源の未来を読む
第5回 回遊魚の行動学
第6回 研究というゲームの楽しみ方

 講義は講師自身のデータを中心に1時間弱行い、その後フリーディスカッション、さらに簡単なレポートを書いてもらい、このレポートをもとに次回の講義を組み立てるという構成をとった。4人の受講生全員が農学部食品経済専攻の女子ということもあり、食に関わる議論が毎回盛り上がった。最終回には「プレゼンテーションの奥義」というコーナーも設け、講師が一番最近に行った学会発表を例に、口頭発表やポスター発表の技術を伝授した。
 舞鶴での実習も、車1台で移動できるため、フットワーク軽く動くことができた。 6月30日金曜日に学生らが舞鶴に到着し、まずガイダンスを行った。土曜日の午前中は、舞鶴市三浜で調査用ネットにより稚魚を採集し、午後はシュノーケリングで砂地や岩場の魚や無脊椎動物を観察した(写真1)。7月最初の週末ということで、三浜では海開きの神事が厳かに執り行われていた。帰りにスーパーの鮮魚コーナーで食材としての魚について理解を深めたのち、夜は実験所の院生らと共にバーベキューを楽しんだ。翌日曜日には西舞鶴の京都府漁連を見学した(写真2)。マアジやマサバ、テナガエビ、イワガキなどの漁獲があった。



− 実 習 の 様 子 −

写真1 シュノーケリングでタコを観察した 写真2 漁連では小さなマアジが漁獲されていた