少人数セミナー「河口域生態学入門」(報告)


担当教員:フィールド科学教育研究センター 教 授 山下 洋

 受講生は経済学部、理学部、農学部各1名の3名であった。4月から6月にかけて、フィールド研の紹介に始まり、河口域の構造、通し回遊生物の生態、河口域における生物生産構造、沿岸海洋域における生物生産構造、森・里・川・海のつながりとフィールド研の森里海連環学について講義と解説を行った。6月16日に学生を連れて舞鶴へ出かけた。17日には当実験所博士後期課程の大嶋真謙君に手伝ってもらい、由良川河口において稚魚調査を行った。新しく作製した稚魚採集用地曳網、口径1mのソリネットを河口域から神埼浜において、6回(地曳網4回、ソリネット2回)曳網した。キス、ヒラメ、カタクチイワシ(海産)、コノシロ、ボラ、スズキ(海産−稚魚期を河口)、ウキゴリ、ビリンゴ、ウグイ(淡水・汽水魚)の8種が採集され、とくにボラの個体数が多かった。コノシロ稚魚が由良川河口域にも生息することを確認できたのは成果といえる。稚魚採集用地曳網では、期待したほど稚魚を採集できなかった。海岸線に並行に長距離曳網を行う必要があるようだ。


− 実 習 の 様 子 −

由良川河口調査開始 稚魚巻き網採集
何がとれたかな ヒラメだ