平成19年度 1−4回生対象 リレー講義 「森林学」報告



講師:フィールド科学教育研究センター森林生物圏部門
森林生態保全学分野 准教授 徳地 直子



 近年の生活様式の変化や、地球規模での環境変動は、身近な近郊林だけでなく遠隔地にある森林生態系にも大きな変化をおよぼしている。 この講義では、森林について、森林をとりまく社会情勢、林業の現状、森林の生態学的把握、森林の生み出す機能、森林をよりよく利用するための方策など、多方面から森林を解析し、総合的に森林に対する理解を深めることを目的としている。 講義の形式は、森林を考える場合、自然科学の面のみならず、林業などを含んだ人間とのかかわりを考えることが欠かせないため、各分野の専門の教員によるリレー講義としている。
講義では、まず、日本の森林・植生の特徴について紹介された。次いで、日本の森林の現況やわが国の森林面積の4割を占める人工林とその施業について、さらに里山の現状といった、人との関わりの深い森林について講義がなされた。 これらの森林が成立する過程や維持機構について、森林のダイナミズムと樹木の生態(2回)や森林と水・土(2回)の関係、さらにそれらが生み出す森林生態系の機能(2回)について考えた。 また、今後の森林とのかかわりの上で、重要な森林政策や森林認証・CoC制度と生産システム、木材の消費・流通システム(2回)が考察され、森林の持続可能な利用について講義された。