平成19年度 全学共通科目「森里海連環学−森里海のつながりと分断−」



講師:フィールド科学教育研究センター里域生態系部門
里海生態保全学分野 教授 山下 洋



 リレー講義形式により、平成19年10月5日から平成20年1月11日まで13回、吉田南総合館共北27号室(金曜日4限目14:45〜16:15)にて開講された。 対象は、文系、理系を問わず1回生から4回生までとした。
受講者の人数は94名であり、学部の分布状況を見ると、理科系は49名(農学部、理学部、医学部、薬学部、総合人間学部)、文科系は45名(経済学部、文学部、法学部、教育学部)であった。 平成19年度は理科系と文科系の受講生割合がほぼ同じとなったが、昨年度の理科系58名、文科系81名(合計139名)と比較すると総数の減少が大きく、特に文科系の学生の受講が減少した。 文科系の学生の減少の原因として、講師の意識がどうしても理科系に偏るために、文科系の学生には難しい内容となっている可能性が考えられる。また、環境改変に直接関係することになる工学部からの受講生が無かった。 来年度以降の課題として、環境経済、環境法学、環境社会学などの文系的要素をより強めること、環境修復など工学的視点を入れることの2点を検討し、地球環境を考えるうえでの基礎的教養科学をわかりやすく伝える工夫の必要がある。 学年の分布を見ると、1回生が73%を占めた。 将来の方向性に自由度があり知識旺盛な学生が、この講義をきっかけとして環境や生態系を広い視野で見ることの重要性を認識することを期待している。

1.  10/5  森と里山の生態 ― 柴田昌三(フィールド研教授)
2.  10/12 森里海間の物質循環 栄養塩 ― 徳地直子(フィールド研准教授)
3.  10/19 森里海間の物質循環 水と土砂 ― 中島 皇(フィールド研講師)
4.  10/26 森の恵みと海の恵み ― 畠山重篤(牡蠣の森を慕う会代表、フィールド研社会連携教授)
5.  11/2 森里海の連環と経済 − 浅野耕太(人間・環境学研究科准教授)
6.  11/9 里海の生態と保全 − 山下 洋(フィールド研教授)
7.  11/16 森里海間の物質循環 ミネラル成分 − 中野孝教(地球研教授)
8.  11/30 森林の利用と保全 − 芝 正己(フィールド研准教授)
9.  12/7  森から未来をみる − C.W. ニコル(作家、フィールド研社会連携教授)
10.  12/14 河口域の物質循環 栄養塩 − 藤原建紀(農学研究科教授)
11.  12/21 河川生態系の構造と機能 ― 竹門康弘 (防災研准教授)
12.  12/26 流域環境における人間・自然相互作用系の研究 − 吉岡崇仁(フィールド研教授)
13.  1/11 沿岸海洋域の生態 − 白山義久(フィールド研教授)