森里海連環学実習IA 2005年8月8〜12日


実習調査域
      芦生研究林―由良川源流―由良川河口沖
参加者
 実 習 生:12名(農学部8名、総合人間学部2名、理学部1名、文学部1名)
 教  員:山下 洋、益田玲爾、上野正博、中西麻美、甲斐義晃、竹内典之、西村和雄、
 技術職員:林 英夫、大牧治夫、淺野善和、岡部芳彦、佐藤一夫
 指導協力:久後生歩(綾部高校)、服部博司(吉富小学校)、井上嘉夫(京都教育大附属高校)
 T Aほか :坂本三和、大石高典、村尾嘉彦

日程
8月8日(月)
   午前:バスで京大農学部から芦生研究林へ移動
   午後:芦生研究林内調査(杉尾峠〜長治谷〜下谷)、
      由良川源流域で、河川環境調査、採水、水生昆虫採集、魚類採集
   夜 :講義(芦生の四季と文化、大学院生 坂本三和)
8月9日(火)
      由良川上流〜中流域調査(河川環境調査、採水、水生昆虫採集、魚類採集)
      講義(森林と水、西村和雄講師)
8月10日(水)
   午前:由良川下流域調査(河川環境調査、採水、水生昆虫採集、魚類採集)
   午後:由良川河口沖調査(緑洋丸乗船、海洋観測、底生動物採集調査)
8月11日(木)  
      水質分析、魚類・ベントス・水生昆虫標本同定
      データとりまとめ
8月12日(金)  
   午前:レポート作成
   午後:発表会
      バスで舞鶴水産実験所から

実習内容
 8月8日午後から10日まで、由良川を中心に上記日程に示したとおりの調査を行った。調査内容は次の通りである。(1)渓畔林を中心とした林内の植生構造とその年代変化(とくにしかによる食害)、以下由良川源流域から河口沖合までの、(2)河川環境と水質の変化(川幅、水深、流速、水温、電気伝導度、溶存酸素、pH、懸濁物質、硝酸態窒素、珪酸、リン酸、透明度、塩分、底質)、(3)魚類組成の変化、(4)水生昆虫組成の変化、(5)底生無脊椎動物組成の変化。
 全長150kmに及ぶ河川の源流から河口沖合の海洋域までの環境と生物相の変化を追跡するという試みは、他に例をみない非常にユニークな実習である。教員も含め全日程を通して参加した実習参加者は、生物も含めた環境構造の変化を体感し、さらに科学的にそのメカニズムを考えることができた。反省点としては、時間に制限があり、かなり大量のデータに対して十分な解析と考察を行うことができなかったことがあげられる。また、受講学生に対しては、基礎知識を事前に講義しておく必要性を感じた。
                                    山下 洋

− 実 習 の 様 子 −


舞鶴水産実験所のページに多数の写真がありますのでご覧下さい。