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さく葉標本を追加

6月に白糠区で開催した初夏の花観察会プチフラワーソン2023(報告へリンク)で、参加者の皆様に採取してもらった植物のさく葉標本を作製しました。

観察会当日は採取して新聞紙に挟んでもらい、ラベルを書いてもらうまでを体験していただいたのですが、その後、新聞紙を交換しながら乾燥と整形をし、台紙に貼り付け、データを登録して、整理して収納し、ようやく一連の処理が終わりました。

すでに標本としては存在する種もあるのですが、徐々に劣化もするので適宜新しいものを入れる予定です。標本は現在ここに存在した世界を次世代に伝えるバトンにもなります。変わりゆく環境を紐解く一助になるかもしれません。

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天然林調査

白糠区での天然林調査を行っています。

森林の動態と多様性維持機構の解明のため、20年前に谷から尾根にかけて設定された3.6haの調査区内の樹木の樹種と直径と位置を調べています。

傾斜は標茶より厳しく崩れやすいため、緊張感もあり心身ともに疲れがたまるのですが、先日の調査は気候が良く、オオモミジやハウチワカエデといった紅葉も美しく、いくらか疲労も軽減されたような気がします。

多くのスタッフによって支えられ、長い期間続けられてきた調査です。個人的には15年ぶり。うまく成果につなげられるよう、できるだけの努力をする所存です。

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グイマツF1の植え付け

2020年にカラマツを皆伐した伐採跡地の再造林を行いました。

今回はカラマツ×グイマツのF1雑種を1,600本/haの密度で0.75haの面積に植え付けています。もとは12.66haという大きな造林地だったのですが、少しずつ伐採、再造林して林齢の異なる林分を造成していく計画です。

森林管理という仕事に携わりながら、植栽の経験が豊富とは言えないため、植栽の手順や方法など相互に意見交換しながらの植え付けとなりました。皆伐跡地ということで日陰がないため、暑いとしんどいのですが、この日は冷たい風が吹き、作業する分には快適でした。

今後しばらくは下刈や獣害(エゾヤチネズミ・エゾシカ)対策が必要となります。学生実習や研究に生かせるよう、しっかり管理、記録をしていきたいと思います。

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春の林道巡視

標茶区は冬に土壌が凍結します。凍結すると水分がより深い土壌中から氷に引き寄せられます。

春になると凍ってカチコチだった路面が表面から解け、さらに冬の間の積雪が融解することで、たっぷりと水を含んだ路面はとても緩くなり、春の大型連休あたりまで車両の通行ができません。

緩んでいた路面も落ち着いた様子だったので、例年より若干早いですが林道の巡視に行きました。

冬の間の強風や着雪によって発生した倒木や、無数にある落枝、林道に残されたシカの角を除去し、路面、路盤に異常がないかも確認しました。研究者や学生が安全に利用できるよう、受け入れの準備を進めています。

車に乗っては少し移動して降り、中腰で枝を拾っては路外に捨ての繰り返しです。室内仕事が続いて体がなまったところにこの作業。疲れがにじむ四十路の背中です。

そして、そんな作業をした翌日には得てして大荒れの天気になるものです。

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寒い実習にご用心

3年ぶりとなる冬の学生実習「研究林実習Ⅳ」を翌週に控え、山スキーで歩くコースの下見に行きました。

この日の最低気温は-14.0℃で冷え込みは弱かったのですが、最高気温が-7.4℃と上がらなかった上に、強い風が断続的に吹きました。そのため日差しはあるものの非常に寒い山行となりました。

声は風音で遮られ、手はかじかんでメモを取る気力も湧かず、休憩して弁当を食べるよりも早く帰ろうという判断となりました。

参加される学生さんは防寒対策をしっかりとしてきてください。ウールなど速乾、保温性のある素材のインナー(綿や発熱素材は汗冷えの恐れあり)、インナー手袋、ネックウォーマー、目出し帽といった衣類に加え、懐炉、温かい飲み物を入れる保温性のある水筒、雪の上に座ってもお尻が濡れない敷物なども重宝するかもしれません。ポイントは行動中は汗をかかず、止まっているときは寒くないことです。

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土壌凍結の測定

地下から取り出した土壌凍結深度計。地表面から透明の部分までが凍結している。

標茶区のある北海道東部では季節凍土が発生します。

気温が低く、断熱効果のある積雪が少ないと、土壌の熱が奪われて地表面から徐々に凍っていきます。

土壌凍結の進み方を観測するためにメチレンブルー土壌凍結深度計を使用しています。メチレンブルー土壌凍結深度計は、凍結すると青から無色透明になるメチレンブルーの特性を利用したもので、地表下で0℃となっている面の深さを知ることができます。

現在の深さは約35cmで例年より若干浅めのように感じます。ちなみに今朝の最低気温は-18.1℃(ぬるい)、積雪は37cmでした。

凍結の進み方は気温だけでなく積雪状況による部分も大きいようで、年によって変動があります。まとまった雪が降る時期が遅れると凍結が進み、1月中の積雪が20cmに満たなかった2017年から2018年にかけての冬には56cmまで凍結していました。

森林域では土壌中の水分が凍ることで凍上が発生して植物の根がダメージを受けたり、樹木の水分通導を阻害したり、鉛直方向の水分の動態が変わることでそれに伴う物質循環に影響を及ぼすと言われています。

気候変動により冬期の気温が上昇したり、積雪の状況が変化すると季節凍土の発生状況も変化すると予想されます。それが森林の生態系にどういう影響を及ぼすのか、その指標とすべく、”しばれる”朝にも日々観測を続けています。

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直営皆伐カラマツ造材

夕日に照らされながら採材中

直営で進めているカラマツの皆伐も終盤に入ってきました。今は造材(材の太さや質を見て製品ごとに決まった長さに丸太をチェーンソーで切っていく作業)、はい積み(製品ごとに丸太を山にしていく作業)を行っています。

今年の事業地は63年生のカラマツです。胸高直径50cmほどの木もあり、立木1本で2t、玉切した丸太1本でも300kgを超えるようなものもあり機械の力が必須です。効率と安全性の両面で機械のオペレーターと作業者・指示者間のコミュニケーションが重要なのですが、今年導入した無線のインカムはストレスなく会話ができるので効果抜群です。ただ、無意識に発する「よっこいしょ」もばっちり伝えてしまうので注意が必要です。

研究林では齢級の平準化と資源の循環利用を念頭に、徐々に造林地の更新を図っています。皆伐跡地は学生実習での植栽を予定しています。

撮影は午後3時27分。刻々と日没が迫る中、夕日に照らされながら採材する様子です。働く男は絵になると思いますが、いかがでしょう。

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固定標準地調査、進行中

秋の調査を進めています。

造林地の成長の様子を追跡する調査で、5年周期で調査区内に生育する樹木の直径や樹高を測定しています。

成長が止まる時期ということで秋に行っているのですが、落葉性であるカラマツが樹勢が衰えたためか、ストレスにさらされたためか、早々に葉を落としてしまい、生存しているか枯れているのか迷う場面が今年は多い気がします。

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植栽したクリーンラーチの管理

昨年度に直営で植栽を行ったクリーンラーチの一部(20本)が、おそらく冬季の積雪により倒れてしまい、横に寝たような状態になっていました。このままだと、植栽木の葉が草に隠れ成長に悪影響を及ぼします。また木が曲がって成長してしまうことにより、材質にも悪影響を及ぼします。
そこで添え木をして植栽木の管理を行いました。この木が収穫される時の姿は分かりませんが、未来に向けて健全に育ってほしいです。

※クリーンラーチについては「電気柵の張替え」の記事をご参照ください。

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電気柵の張替え

本学の研究林実習Ⅲと酪農学園大学の実習で植栽したクリーンラーチ(カラマツ×グイマツ雑種F1)造林地の電気柵を張替えました。
電気柵の設置目的は鹿による植栽木の頂芽食害を防ぐためです。6年前に実習で植えたクリーンラーチが大きくなり、頂芽を食べられる心配がなくなったので、電気柵を撤去し隣の区画との境に新たに電気柵を設置しました。
電気柵の電線を回収する作業が思っていたよりも難航しましたが、無事に張替えることができました。