ディープラーニング

環境問題の対策の第一歩は、現状を把握することです。
RE:CONNECTでは、最新の情報科学を駆使してデータを収集し、環境問題の現状を知ることを重視しています。そのためのツールとしてディープラーニングがあります。

近年脚光を浴びているディープラーニングは人工知能による機械学習の一種であり、特定の対象物を自動識別するなど、コンピュータビジョンで高い性能を誇ります。まさに、人工知能が私たちの「目」となる能力を手に入れたのだと言えるでしょう。
長い生物の進化の歴史の中でも、「目」は生物が飛躍的に進化するために重要であったとされています。カンブリア紀と呼ばれる時期には、比較的短期間に数多くの種が誕生する「カンブリア大爆発」という現象が起こりました。生物が「目」の機能を獲得したことが、爆発的な進化の要因になったと考える研究者もいます。

日々進歩する人工知能の画像認識技術は、顔認証や自動運転技術に活用されており、今後の社会を大きく変える可能性を秘めています。
この研究チームでは、ディープラーニングによる画像認識技術を用いて、海や街のごみ・私たちの身近に生息する外来生物などを効果的に広範囲で把握することで、環境問題の解決策を考えていきます。

研究メンバー

髙屋 浩介  芝田 篤紀  伊勢 武史

進行中の研究テーマ

ペットボトルを識別する

私たちの暮らしの身近にあるペットボトル。使用後は責任を持って処理しないと、街や川、やがて海洋を汚すことになります。海洋に流出するプラスチックごみは増加の一途を辿り、このままでは将来的にごみの量が魚の量を上回るのではないかと指摘する研究者もいます。SDGs(持続可能な開発目標)のひとつにも「14.海の豊かさを守ろう」が掲げられるなど、海洋のプラスチックごみは、国際的に取り組むべき喫緊の課題になっています。日本でも2020年7月からレジ袋の有料化が始まり、プラスチックに対する社会的な関心が高まっています。
私たちは、捨てられたペットボトルなどを識別する人工知能を開発しています。将来的には、スマホのアプリにこうした人工知能を組み込むことで、市民とともにみんなで環境保全を進められるシチズンサイエンスのプロジェクトに貢献していきます

画像_ペットボトルを自動識別するモデル作成中。RE:CONNECTの知的財産である「こま切れ画像法」を用いています。
ペットボトルを自動識別するモデル作成中。RE:CONNECTの知的財産である「こま切れ画像法」を用いています。