テキストマイニング

人びとは何を思い語っているのか? 科学と社会をつなぐプロジェクトRE:CONNECTにおいて、人びとの間で共有される考えについて調べることは研究の大切な第一歩になります。
踏み出した先に目指すのは、環境保全を専門的な活動にとどめず、誰もが自分にできる形で効果的に行えるよう広めることです。
人びとの考えを知るための伝統的な手法では、たとえばアンケートが代表的です。思いや考えを集団単位で定量的に調べるのにとても有効な方法ですが、回答する人の範囲や数の制限が小さくなかったり、アンケートへの回答という状況から「他の人から見て望ましい回答をしよう」とつい考えられてしまったりと、人びとの率直な声や関心を知るには難しさもたくさんあります。
一方で、実社会では様々な背景を持つ現代人がソーシャルメディアで日々、自分の気持ちや意見を発信し、共有しています。

そこでこの研究チームでは、Twitterなどでの公開情報を機械で定量的に解析することで、複雑なまとまりとなった「人びとの直の声」を科学的に可視化することにしました。
森・里・海の自然について、人びとは何を思い語り合っているのか? きれいごとだけじゃない率直な意見を広く集め、今後の環境保全に活かしていきます。

研究メンバー

打田 篤彦 高屋 浩介 伊勢 武史

進行中の研究テーマ

いつもより遠い「海」は、誰にどんなふうに語られているのか?

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で、様々な屋外活動の自粛が求められる時期。私たちの頭に浮かぶ「海」には、どんな言葉が添えられているのでしょうか。
たとえば、「Stay Home with the Sea」という企画があります。家にいながらも、海の自然を近くに感じるための提案をまとめた試みです。Twitterでのハッシュタグを追いかけると、どんな活動が特に話題になったのか、どのように企画が共有されたのか、などを可視化することができます(下図参照)。
こうした定量的な解析を、広く「海」に関する話題について行っています。

画像_「#おうちで海活」と一緒につぶやかれていた単語たち(多次元尺度構成法による2次元解)
「#おうちで海活」と一緒につぶやかれていた単語たち(多次元尺度構成法による2次元解)