実験所について laboratory
沿革  フィールド科学教育研究センター・里域ステーション・紀伊大島実験所の歴史を簡単に要約しておきましょう。
1937年5月1日和歌山県東牟婁郡・旧大島村から京都帝国大学大島暖帯植物試験地用地として寄付されました。
1940年4月1日京都帝国大学大島暖帯植物試験地として正式に開設されました。南方資源植物の導入試験が行われました。
1948年7月5日新制京都大学農学部附属農場附属大島暖帯植物試験地に改称されました。
1967年6月1日京都大学農学部附属亜熱帯植物実験所に改称されました。
1998年4月1日京都大学大学院農学研究科附属亜熱帯植物実験所に改称されました。
2003年4月1日京都大学フィールド科学教育研究センター発足に伴い,里域ステーション紀伊大島実験所となりました。
周辺環境  フィールド科学教育研究センター・里域ステーション・紀伊大島実験所は、紀伊半島最南端串本町潮岬から東に1.5kmにある紀伊大島の中央部の須江地区(北緯33度28分、東経135度50分、標高約100m)に位置します。実験所の敷地面積は11.75haです。京都帝国大学大島暖帯植物試験地用地として、昭和12年5月1日に和歌山県東牟婁郡大島村から和歌山県をへて無償で寄付され須江赤崎に創設された地元からの「期待」が基礎となっています。
  紀伊大島実験所が位置する紀伊大島は海底火山活動によって形成され、その後1000万年かけて風化が進んだ熊野酸性岩類を主体とした東西6.3km、南北3.2kmで、面積9.89kuの台地状の島で、最高標高は島中央寄りにある大森山の171.7mです。真冬でも18℃もある暖流黒潮の影響を受けて年中温暖で、年平均気温は16.9℃、年間降水量は2,500〜2,600mmです。気候的には暖温帯に属し、漁業を主な生業とする島民によって守られてきた良好な魚付林やかつて薪炭林として持続的に活用されてきた照葉樹林に覆われています。
  元々、紀伊大島は離島でしたが、1999年9月9日に串本大橋の架設によって本州と地続きとなりました。架橋に伴う紀伊大島博物相の変容を把握するための基礎資料収集を1997年から開始し、植物相や蘚苔類、キノコ相については1999年に完了しました。その結果、高等植物が131科735種、キノコ類が32科111種が確認されました。
  実験所内の植生は70年以上保全されたスダジイやヤマモモ、ヤブニッケイ、クスノキ、シラタマカズラなど多種多様な照葉樹林とその林縁および林床植物から構成されています。また、所内には、林間ギャップを利用して多数の観賞用ツバキとウメの系統ができるだけ本来の樹形を生かして保存されています。実験所全体が和歌山県鳥獣保護区に指定され、鳥類や昆虫類もたいへん豊富です。
スタッフ 実験所長 : 梅本 信也(准教授)