本部のある京都から直線距離で約1200q、日本の最北東部である道東に位置する京都大学北海道研究林から、日々移りゆく研究林内の森林やその周辺で見られる季節現象、生き物などの姿を、日常の業務を織り交ぜながらお伝えします。

(2009年10月〜) →過去の日誌を見る
2010.3.18.   もうすぐ春ですね
久方ぶりの黄色 なかなか過酷な環境です
フクジュソウのつぼみ 霜の花をまとっています
 【白糠】構内で福寿草のつぼみが開いてきました。
 最低気温はマイナスですが、ようやく昼間はプラスになってきました。

 
 
               
2010.2.24-3.1.   冬の実習
いざ白糠の森へ ことしも暖かい
いざ森へ 針広混交林をスキーで歩く
工場萌えな学生にはたまらない!? ざらめ?しもざらめ?こしもざらめ?
王子製紙を工場見学 雪氷調査。積雪がちょっと物足りない
ハルニレとミズナラの違い分かった? 夜は講義とレポートの時間。。。
雪の毎木調査 夜は講義とレポートと・・・
よく歩き、よく学べ 森林限界は実習の限界でした
ヤドリギ発見 実習的にも限界?森林限界の藻琴山
 冬の学生実習(「研究林実習W 冬の北海道」「北海道東部の厳冬期の自然環境」)が行われました。
 今年度の夏の実習からのリピーターは少なく、樹木の識別には若干苦労していたようですが、雪上での森林調査などを通して、京都とは全く異なる環境を体験しました。

 20日前に-30℃を記録したのが嘘のように暖かい実習の始まりとなりました。学生が京都から暖気も連れて来たのでしょうか。「厳冬」を味わってもらいたいけれど、寒いのは嫌・・・。複雑な心境です。
 なんて書いてたら、最終日に藻琴山で「厳冬」を味わいました。

 
 
2010.2.4.   シバれた朝
記録した現場 凍裂の音を聞いてみたい
気象観測ゾーン 凍裂したドイツトウヒ
 【標茶】10年に一度級の冬将軍がやってきているようで、すっかり寒気に覆われています。標茶区では-30.2℃を記録し、2001年以来9年ぶりに-30℃を下回りました。
 ここまで冷えると寒いを通り越して痛いという感覚です。露天風呂に入ると髪が凍ります。バナナで釘も打てることでしょう。北海道ではシバれると表現されます。
 冬のシバれた日にはトドマツなどの木が縦に裂ける現象が発生します。凍裂といって、木材的には商品価値を落とす上、防御もしにくい厄介者です。明け方など、「パァーン!」という炸裂音が響くということですが、まだ聞いたことはありません。厳しい寒さに耐える樹木の姿ともいえます。

 
 
               
2010.1.30-31   雪の森に遊ぶ
まずは事務所で説明 ほほえましい光景でした
まずは勉強 スノーシューを履いて散策
高校生もテンション上がります 木登りの経験もそうないのでは
Let's尻滑り Let's木登り
 【標茶】秋に行われたしべちゃアドベンチャースクールの続編、「冬の野外学習」が行われました。今回は小学生と高校生あわせて10人が参加して、野外活動などを通して交流を深めました。
 30日は事務所で冬の樹木や雪上の足跡などについて勉強した後、スノーシューを履いて林内を散策しました。途中、突然の尻滑りtimeに。木の話よりもずっと反応がよくて若干複雑な気持ちではありましたが、楽しんでもらっていたようでなによりです。

 
 
2009.1.25.   一瞬の賑わい
本当は馬はもっといました カメラのアングルにうっかり入ると怒られます
馬と機関車の併走 たくさんの見物客
 【標茶】普段は静かな事務所周辺ですが、この週末は一瞬の賑わいを見せました。
 事務所敷地に隣接する線路に期間限定で蒸気機関車が走り、さらに馬が併走するというイベントもあり、各地から鉄道ファン、アマチュア写真家がやってきていました。
 昭和50年に現役引退するまでは、蒸気機関車がこの付近を走る風景も普通だったようですが、35年を経てすっかり特別なイベントになっているようです。
 なお、汽車は毎日走っています。ディーゼルエンジンで走る気動車が一両編成で。
 オホーツク海側では流氷も近づきつつあり、冬の観光シーズンの到来といったところです。

 
 
2009.1.18.   寒さ本番
川は凍ってません 葉がないのと雪の反射で随分明るい林内
雪の渓畔林 雪のミズナラ林
 【標茶】寒の入りを迎えて益々寒い標茶です。週末、札幌方面では大雪に見舞われたそうですが、こちらは太平洋側らしく好天が続いており、氷点下20℃以下まで気温が下がる日が多いです。
 そんな中、久しぶりに林内に入りました。林道は除雪していないので、スノーシューを履き、冬も凍らない川を徒渉しての山行きでした。木々は葉を落とし、地面からは雪の反射で林内は非常に明るかったです。適度な運動になりました。
 今年も皆様のご利用お待ちしております。

 
 
2009.12.22.   冬至in北緯43°
長い夜の始まり 夜は動物の時間
長い夜の始まり ウサギの足跡
 【標茶】今日は冬至です。一年で最も夜の長い日。ここ標茶ではこの時期は4時前に日没となり夜は15時間以上となります。
 冷え込みもだいぶん厳しくなり、今朝の最低気温はは-17.6℃でした。今ある雪は根雪となって春まで残ると思われます。
 雪の上には動物たちの足跡が残っています。姿はほとんど見たことがないのですが、写真はエゾユキウサギのものだと思います。交差しているのはキタキツネ。
 そろそろ実物を撮らないとネタ切れになってしまいます。

 
 
2009.12.10.   山神祭
なんだワアワアあやってます 今年1年無事に過ごせました
準備風景 今年1年無事に過ごせました
 【標茶】白糠の職員も参加し、山神祭を執り行いました。
 春の入山式と大差ない写真ですが、皆が無事に1年過ごしたという証拠です。
 「これで今年も締めくくり」といきたいところではありますが、師走の忙しさがもうしばらく続きそうです。

 
 
2009.12.3.   湿地も凍れば
毎度おなじみのヤチボウズ 野帳係は指の冷たさを堪え忍ぶ
Frozenヤチボウズ ハシドイ、ヤチダモの群落です
 【標茶】湿性林の調査をしました。他の調査地は早くに終わっていたのですが、ここは寒くなるまで取っておいてました。
 すべては快適な調査環境のため。雪は積もってませんが土壌が凍り始めたこの時期なら泥濘に足を取られることもなく、植生へのダメージも抑えることができます。
 水たまりも天然のスケートリンクに変身していました。少しテンションが上がります。

 
 
2009.11.26   霧氷の候
釧路川沿いは霧氷がよくつきます シラルトロ湖も凍り始めました
霧氷の朝 夕暮れのシラルトロ湖
ダッコちゃん人形を彷彿とする 作業の効率的に改善の余地あり
あれは何だ? 枝打ち機でした
 【標茶】4時前には日没を迎えるようになりました。厳しい季節になってきましたが、時に美しい風景を見せてくれます。
 本日の現場、カラマツの造林地に現れた木を上る物体・・・。それは熊でもダッコちゃん人形でもなく枝打ち機。
 リモコン操作でくるくると回りながら上昇して、先についたソーチェーンで枝を落としていきます。安全かつ綺麗な仕事をしてくれはするのですが、太すぎ、細すぎ、曲がり、太い枝はだめと、若干注文の多い機械です。そして重い。「これは筋トレだ」と割り切るべし。

 
 
2009.11.11.   冬支度はお早めに
あめゆじゅ 毎年なんだか苦労します
うっすら雪化粧 重機も冬仕様
 【標茶】雨は夜更け過ぎに雪へと変わりました。
 釧路よりも札幌よりも芦生よりも遅い初雪です。 北海道の雪は粉雪と言われますが、きょうの雪は非常に湿った雪でした。
 そんな中、重機にタイヤチェーンを取り付けました。どか雪にならなくてよかったです。

 
 
                
2009.11.7〜8.   アドベンチャー秋の陣
どうやったら興味を持ってもらえるか、いつも悩みます 何が見える?小屋!
森林の働きについて説明中 オリエンテーリング中
 【標茶】7日と8日の両日、しべちゃアドベンチャースクールの「ネイチャースクール」―京都大学森林ステーションでの自然学習―が行われました。
 標茶区が町の教育委員会との共催で行っているもので、町内の小学生と高校生13人が参加しました。
 森林の働きや樹木の見分け方などを勉強した後、見本林を使ったオリエンテーリングや星空観察など学校の教室の中ではなかなかできない体験ができたようです。

 
 
2009.10.29.   樹木位置落とし
意外と長く紅葉が楽しめます 機械が酷使に悲鳴を上げてしまいました
もうすぐ雪で白く染まります 樹木の位置を測定しています
 【白糠】紅葉が美しい秋の山に数字を読み上げる声がこだまする―。
 天然林プロットで樹木の位置を測定しました。地形や樹種ごとの繁殖様式、他の種との関係を知る上で基礎的なデータとなります。
 夏は下草で見通しが悪くなるのでこの季節が絶好のチャンスだと思います。
 雪が降る前に片付けることができ、とりあえず一安心。標茶はまだですが。。。

 
 
2009.10.16.   怪しい物体
落下して当たると絶対痛い 葉も種子も主張の強い木です
新種のホヤ? ホオノキでした
 【標茶】朝は氷点下まで冷え込むことが多くなってきました。冬の訪れの早い標茶です。
 すっかり晩秋モードに入り、木々の紅葉も終盤戦に入ってきていますが、そんな標茶区構内で怪しげな物体を見つけました。
 南国のフルーツかはたまた新種のホヤか?
 標茶は南国でも海でもないので却下。その正体はホオノキの実でした。
 危険なので投げて遊ばないようにしましょう。

 
 
2009.10.2.   森に還る
海→森の命の連鎖 うっかり近づかないように気をつけましょう
アメマスの死骸 熊の穴
 【白糠】調査用の渓流水を取りに行ったときにアメマスが河原で死んでいるのを見つけました。
 人の仕業か、ヒグマの仕業か、それとも大水が出たとき上ってきて、水が引いて干からびたか謎です。
 今年はアメマスが産卵のため海から多く上がって来ています。先輩の話では昔は秋になるとよく見たが、最近では姿を見るのは久しぶりだそうです。
 もう一枚はヒグマの冬眠用の穴?の製作途中。足跡があったので間違いないと思われます。

 
 



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