フィールド研が目指す社会連携

フィールド科学教育研究センターは活動目標の一つに、

森林域、里域、沿岸海域における生物圏情報の発信による社会連携の推進

を掲げており、その推進のために社会連携委員会を設置しています。また、2003年から当センターが推進している森里海連環学でも社会との連携が重要なテーマになっています。

森里海連環学は、フィールド科学教育研究センターの初代センター長を務められた田中克先生により、フィールド研が設立された2003年に提唱されました。田中先生が著書「森里海連環学への道」の中で、

「森里海連環学は、大学内の学問だけでなく、住民が人と人、人と自然、自然と自然のつながりのたいせつさに思いをはせ、人々が「力を合わせてみんなで生きていこうよ」という意識を共有しながら住民が進化させていく学問である」
「「森は海の恋人」の世界を科学する新たな統合学問領域であり、社会運動と連携して初めてゴールに到達する」

と書かれているように、センター設立の当初から、森里海の連環を取り戻すためには社会の多様な主体との連携が必須であることを示してきました。

森里海連環学の社会連携を深めていくという趣旨で、2005年には「社会連携教授」(Professor of Field Studies and Practical Learning)として、「森は海の恋人」の提唱者である畠山重篤氏と、作家のC・W・ニコル氏(2010年まで)に就任いただき、今日まで森里海連環学の教育研究に様々なご助言、ご協力をいただいています。

社会連携活動として、これまで「時計台対話集会」、「由良川フォーラム」、「古座川プロジェクト」、「仁淀川プロジェクト」、「地域循環木文化社会創出事業」など、シンポジウムや住民参加によるワークショップ、地域の団体等との共同研究を多数実施してきました。現在の活動はこのような取組の積み重ねの上に立っています。

2012年度には、森里海連環学教育ユニットを作って人材を育成し、2018年度からはそのユニットを森里海連環学教育研究ユニットに発展させ、実践や研究を行ってきました。

森里海の連環に基づいた持続可能な社会の構築にむけて、更なる社会連携事業を進めて参ります。ここでは、フィールド研の教職員が取り組む社会連携事業について紹介していきます。