芦生研究林基金の意義

守っていきたい森があります。

京都府南丹市美山町、京都大学芦生研究林

貴重な原生林が広く残る、野生動植物の宝庫です。

この森を守り、未来に遺していきたい。

そして森から生まれる教育や研究を発展させたい。

その活動は、地球環境を守ることにもつながります。

みなさまからのご寄付をお願いいたします。

このページでは、芦生研究林がどのようなところで、どういう問題を抱えているため基金を設立することになったか、順を追って説明しています。最後までお読みいただければ、芦生研究林基金についてご理解いただけるものとなっています(ご賛同いただける場合は、そのままご寄付していただくことができます)。

内容

1.芦生研究林-貴重な原生林

2.さまざまな利用

3.森が抱える問題

4.京都大学芦生研究林基金~大学の森を守ろう~

5.ご寄付の使いみち

6.ご寄付はこちらから

logo芦生研究林-貴重な原生林

「植物を学ぶ者は一度は京大の芦生(の森)を見るべし」と言われた、原生的な自然の残る貴重な森。生物多様性の高さには目を見張るものがあり、樹木243種、草花532種、シダ85種など多数の植物と、昆虫など多くの動物が豊かな生態系をつくっています。研究林の約半分は、人手がほとんど入っていない天然の森で、「芦生の原生林」として親しまれています。

asiu-map2京都府北部の南丹市美山町に位置する芦生研究林は、日本海にそそぐ一級河川由良川の源流域でもあり、原生林は清らかな水を育んでいます。

アシウテンナンショウ・アシウスギ・アシウアザミなど、「芦生」の名を冠する生物も多く存在し、学術的な価値の高い森でもあります。

 

 

logoさまざまな利用

芦生研究林の広大な原生林は、西日本では有数の規模を誇ります。大正10年(1921年)に芦生演習林としてスタートして以来、京都大学や日本全国の大学の学生・研究者による様々な教育・研究に利用されてきました。現在、芦生研究林では、その豊かな自然を利用した多彩な研究を実施しています。

たとえば、動植物の生態や森の養分の循環を調べることで、生態系にはたらくメカニズムをさぐり、地球温暖化や大気汚染などの環境問題の影響を研究しています。さらには、巨木上の植物の生態の調査、水路実験で川の生態系のしくみを調べる研究、人が森で感動する理由を考える研究などのユニークな研究もあります。くわしくはこちら(芦生研究林の多彩な研究)をご覧ください。

大学の研究林でありながら、一般の方にはガイドツアーやハイキングなどで親しまれているのも特徴です。さらに、芦生研究林は、2016年3月に指定された京都丹波高原国定公園の中心として位置づけられており、今後の多面的な利用について大きな期待を受けています。

 

logo森が抱える問題1.設立から一世紀

芦生研究林が大正10年(1921年)に設立されてから、丸一世紀が経とうとしています。日本じゅうで原生林が伐採され貴重な自然が失われてきた近年、芦生の森が守られてきたのは、京都大学が責任をもって継続的に管理してきたからです。

しかし、芦生研究林は重大な転機を迎えています。事務所棟など歴史ある建築物は価値のあるものですが、施設の老朽化の問題は年々深刻さを増し、日々の研究にも支障が出はじめています。

また、月日が経つなかで、大学に求められている役割は変化していきます。地球温暖化の影響、生物多様性の保全など、100年前には認識されていなかった問題に、私たちは直面しています。いまある設備では、現代の科学の発展に貢献するには不十分です。芦生の森は、新しい学問・新しい課題にチャレンジするための、先進的な設備を必要としています。

 

 

 

logo森が抱える問題2.広大な森の維持

・アクセスの確保は不可欠

芦生研究林の面積は約4,200ha。京都・平安京をすっぽり飲み込むほどの大きさです。この広大な森を大学の教育や研究に活用するには、アクセスの確保が重要です。現在、総延長約37kmの林道、約7kmの森林軌道、約160kmの歩道が存在しています。

%e3%82%ac%e3%82%a4%e3%83%89%e3%83%84%e3%82%a2%e3%83%bcこのようなアクセス確保により、教育・研究だけでなく、原生林の保全活動を実施したり、不法侵入や希少な植物の盗採を監視したりすることも可能になります。ガイドツアーなどで芦生の森に親しむ観光客にも活用されています。

%e3%81%8c%e3%81%91%e5%b4%a9%e3%82%8cしかし、アクセスの維持は困難です。森が広大であることに加えて、豪雪地帯であるため、春先の雪かきや整備はたいへんです。夏に大雨がふればあちこちがいたみ、補修が必要になります。すべての補修に手が回っているとはいえず、数年前に発生したがけ崩れからの森林軌道の回復のめどは立っていません。


・シカが増えすぎてしまった

ニホンジカは、昔から日本の生態系のバランスのなかで暮らしていました。ところが、近年になって生態系のバランスが変わり、シカが増えすぎて、各地で問題を引き起こすようになってきました。その原因として、明治時代にオオカミを絶滅させてしまったことや、猟師の高齢化、温暖化により積雪が減少しエサを見つけやすくなったことなどが挙げられています。

nl31_asiu1_595_%e7%8f%be%e7%8a%b601芦生研究林では、20年ほど前からシカの影響が大きくなってきました。うっそうとしていた森の下草はシカに食べ尽くされ、地表がむき出しになっている場所も多くあります。生物の多様性は低下し、絶滅危惧種や希少種の減少が危惧されています。

 

logo森が抱える問題3        大学予算の縮小と借地

芦生研究林の土地は、大正10年(1921年)から99年間の地上権契約を結び、お借りしてきました。その契約が2020年4月に終了しました。

そして新たに30年間の地上権契約を更新することができました。皆様のご支援に深く感謝いたします。

貴重な芦生の森を守り、大学の森として教育と研究を推進していくため、
京都大学では、精力的に努力しています。すでに取り組んでいる課題はこちら(研究林の保全・管理のための取り組み)からご覧ください。

しかし、大学の予算は年々減少しており、すべての問題を解決するのはたいへん困難です。

logoあなたのご寄付で芦生の森を守る

京大芦生研究林基金

   ~大学の森を守ろう~

2016年12月、「京大芦生研究林基金 ~大学の森を守ろう~」が誕生しました。芦生の森を京都大学が守り続けるために、みなさんのご支援をお願いすることになりました。

私たちは芦生研究林の教育や研究を発展させるとともに、貴重な原生林を末永く守り続けたいと決意しています。みなさんのご寄付をお願いいたします。

 

 

logoご寄付の使いみち

いただいたご寄付は以下のように使わせていただきます。

・芦生研究林の設備を充実させます

これまで不足していた実験設備を導入し、最先端の研究に適した施設に生まれ変わります。また、学生や研究者が快適に過ごせる宿泊設備を整え、これまで以上に多くの学術利用を受け入れます。このように大学施設としての成果をあげることが、施設が存続すべき根拠になります。

※ ご寄付を一部使用させていただき、歩道や林道の整備等のための油圧ショベルを購入しました。また資料館・斧蛇館内に新しく設置した実験室に、ガス湯沸器を購入しました。→「ニュース

 

・研究の門戸を広げます

これまで芦生研究林の利用は理系研究者によるものが大部分でしたが、本来森林は、自然科学だけでなく、民俗学・文学・芸術といった人文科学、林業やエコツーリズムなどの産業面では社会科学とも関係します。今後はこのような文系の研究も促進し、新たな知を切り開いていきたいと考えています。専門化が進む現代の学問ですが、森という場で学問が交流することで、互いの視野がひろがり、さらなる知的創造が導かれると考えています。

・原生林を保護します

歩道や林道を整備して、研究者やガイドツアー参加者による踏み荒らしなどの被害を抑制します。さらには、希少植物の調査と保護、シカよけの柵のメンテナンスなどを実施します。広大な研究

林の整備に用いられる重機などのコンディションを良好に保ち、大雪や台風などの被害からすみやかに回復できるようにします。

 

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logo寄付する

 

(京大基金サイトへ)

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お手続き完了

※京都大学へのご寄付に対しましては、法人税法、所得税法による税制上の優遇措置が受けられます。詳しくは京都大学基金のページをご覧ください。

 

~大学の森を守ろう~