教育・研究

研究

1997年,1林班のヒノキ林内に文化財建造物などの屋根葺き材として使われる檜皮の採取がヒノキ立木に与える影響を明らかにすることを目的として,檜皮剥皮(ひわだはくひ)実験林が設置された。この研究は本学および北海道大学,東京大学,九州大学との共同研究として,これらの大学の実験林で採取された試験体を用いて行われた。1998年冬に熟練の原皮師(もとかわし:檜皮採取の専門技能者)が檜皮を採取した後,2013年までの期間,定期的に何本かのヒノキを伐採しながら研究が進められた。その結果,ヒノキの成長,組織,強度のいずれにも檜皮の採取による影響は認められないことが示された。この結果は,熟練の原皮師による形成層を傷つけない高い技術があってこそといえる。

1林班のヒノキ林ではこれまでに多くの研究が行われてきた。1990年代までは間伐が行われており,間伐前後の現存量と光環境の違い,間伐後に樹下植栽されたヒノキの成長など,ヒノキの育成に関する研究が行われた。1974年から1985年までの11年間にわたって,落葉落枝(リターフォール)が観測され,斜面上部よりも土壌の養分条件が良好な斜面下部の方がヒノキの落葉量が多いという結果が報告されている。また,1972年~1982年にかけて土壌の調査が実施され,土壌層がきわめて厚いこと,養分含有率がかなり良好であることが明らかにされている。2025年より落葉落枝および幹成長の観測を再開し,過去のデータおよび他地域との比較を行う予定である。

徳山試験地ではマツノザイセンチュウによるマツ枯れ被害が1979年頃に発生し,1990年代にかけて自生または植栽されたマツ類が被害を受けた。この間にはマツ枯れ被害に関する調査が継続的に行われた。

教育

周南市との連携協定
2012年9月27日,山口県周南市と京都大学フィールド科学教育研究センターは地域創造・地域振興および教育・研究の発展を目的とする連携協力に関する協定を締結した。以後,市立中学校の体験学習として,小径木の伐採といった森林管理に必要な作業を通じて森林について学ぶ機会を提供している。また,森林に関する講義と試験地の見学という内容で市民向けの連携公開講座を開講している。

※檜皮剥皮実演と西緑地解説の映像は こちら【講座映像】をクリックしてください。