
エゾオオマルハナバチ


7月31日に白糠区で京大ウィークス2021事業として、自然観察会「夏の森の生態系」を開催しました。当日は9名が参加し天然林をスタッフの解説のもとに散策しました。
観察コースは針広混交林に設定しているので、様々な樹木や植物を観察できました。開花している植物は少なかったのですが、ミミコウモリ、エゾスズランなどの夏の花が見られました。道中には自動撮影カメラ、マレーゼトラップ、リタートラップといった調査機材も設置しており、研究の一端を紹介しました。
猛暑続きの北海道。当日も強い日差しが降り注ぎました。他にも大量発生しているアブ、クマの出没情報、感染症対策と懸念材料はたくさんありましたが、参加者からは「どのように調査を行っているかを知ることができ面白かった」「質問に丁寧に答えて頂きよかった」などといった声が寄せられました。森林散策のあとに行った焼印体験も好評でした。
また例年秋に白糠区で開催しているので、秋とは異なった盛夏の森林の姿を見ることができました。
秋には京大ウィークス2021事業第2弾として標茶区で観察会を実施する予定です。次回も応募者多数の場合は抽選となりますが、是非ともご応募・ご参加していただければと思います。
最近の調査スタイルはこれ。ヤッケに長靴、ゴム手袋、ヘルメットに虫よけネット、そしてマスク。色々なものから身を守らなければ山に入れません。
特に今激しいのがアブの襲来。一番暑くなるこの時期だけなのですが、ゴマフアブというアブが大量に発生しており、油断しているとすぐ噛まれます。写真では伝わらないのですが、恐らく数百匹にたかられています。苦手な人はパニックになること請け合い。
早く涼しくなってほしいです。
昨年度末に浴室等を改修し、教育・研究活動の利用環境がより良くなりましたのでご紹介いたします。
改修前は管理棟の浴室は1階の1箇所しかなく、また脱衣所に洗濯機が設置されていました。その為、利用者が集中すると入浴に時間がかかる、入浴している人がいると洗濯機が使えない、洗濯機が男女共用であるといった問題を抱えていました。
今回の改修で1階の浴室が、個別の脱衣所があるシャワー室とユニットバスになりました。2階女性用お手洗いには女性専用のシャワー室を新設し、洗濯機と乾燥機も設置しました。さらに昨今のコロナ禍を鑑みて、洗面所等の利用回数が多い水栓を非接触式の自動水栓に取り換えています。
上記写真が1階浴室の改修前後の様子です。元々あった浴室のスペースにバスユニットとシャワー室を設置しています。
上記写真は2F女性用お手洗いの改修後の様子です。
上記写真は水栓の改修前後の様子です。
改修工事をしたことにより、以前よりもさらに快適な教育・研究環境を提供することが出来るようになりましたので、京都大学北海道研究林を利用した教育・研究活動をご検討されてみてはいかがでしょうか。
ようやく暖かくなってきた標茶で、構内のニリンソウが満開を迎えました。
次々といろいろな花が咲き、目にも楽しい季節です。
構内にて枯死したカラマツ(胸高直径約30cm)を倒したところ、小動物が2匹飛び出してきました。エゾリスかと思ったのですが、物陰からこちらをうかがうその姿はエゾモモンガでした。
倒した木を確認すると、高さ1mの位置に5cm×3cm程度の樹洞がありました。
さらに巣を分解してみたところ、直径15cm程度の空間にコケや体毛からなるふわふわの巣材が入っていました。
そういえば根元に何者かの糞がたまっていたのもモモンガの糞だったようで、己の不用意さと知識不足を思い知らされました。恨めしそうに見つめるあの目が忘れられません。