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下刈は暑い

2021年植栽のクリーンラーチ(カラマツ×グイマツ雑種F1品種)の試験地で下刈をしました。

苗木が下草との競合に負けないよう草刈機で刈払います。個人的な話、下刈り鎌と呼ばれる、長い鎌を使ったことも高校の実習で一度だけあります。

繁茂する下草を除去するので作業のシーズンとしては夏の暑い時期となります。新植地で木陰がないため熱中症のリスクが高く、さらにマダニ、スズメバチに刺される、刃物での怪我といった危険性もあり、草に隠れた苗木を誤伐しないよう神経を使いながら行う(この現場は苗木が大きいので誤伐リスクは低いです)下刈は林業の中でも過酷な作業といえます。

一斉造林で植栽された木が主伐を迎える造林地が多くなる中、機械化が進んできている伐木造材作業に対し、下刈はまだ人の手による部分が多く、造林分野での担い手不足が課題となっています。機械の開発や苗木の植栽方法、地拵えの方法、初期成長の早い品種の開発など省力化に向けた試験が各所で行われていますが、現場に導入されるまではまだ時間がかかりそうです。兎にも角にも、記録的な猛暑の中、今日も下刈をした皆さま、本当にお疲れ様でした。

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初夏の花観察会 プチフラワーソン2024

6/16(日)標茶区で初夏の花観察会を開催し、13人にご参加いただきました。

2022年に標茶区で行った北海道フラワーソン(全道開花調査)と同様に調査し、研究林の林道や沢沿いで、85種(開花74種)の植物を確認しました。
午後は開花している植物を1人1種採取し、事務所へ戻り標本を作成していただきました。朝は小雨が降っていましたが、天気は回復し、昼休みには子ぎつねが2匹姿を見せてくれました。

参加者からは、「はこべ、むぐら類などたくさんの種類の判別が興味深かった」「同じような花でも、色々な種があり難しかったが楽しかった」「ハコベなど区別のつきにくい花を覚えるのは難しい」などの感想をいただきました。

観察会で発見した花(抜粋)はこちら
(ミヤマザクラは果実)

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生まれたての子鹿

標茶区で行っている野生動物の自動撮影調査で撮れた動画です。

プルプル震える子鹿を親シカがペロペロしています。

獣害被害を思うと憎さの募るシカですが、こんな姿を見ると癒されます。

人間って勝手ですね。

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今年はなり年?

林道巡視で白糠区の山へ久々に入りました。

今年は木の花が目立ちます。様々な木が開花・結実している様子が見られました。この秋は実りの秋となるのでしょうか。

  • つぼみ シナノキ、オオバボダイジュ、サルナシ
  • 開花 ミヤママタタビ、ツルアジサイ、ホオノキ、ハクウンボク、ミズキ、ヤマブドウ
  • 結実 サワシバ、アオダモ、ヤマグワ、ハルニレ、オヒョウ

林道をゆっくり走りながら安全を確認し、被り枝や落枝(時にはエゾシカの角も)の除去をするという地味めな仕事なのですが、標茶ではあまり見られない樹種も多く、初夏の明るい森の中、開花の記録写真もとりつつ新鮮な気持ちで楽しく作業できました。

木に気を取られすぎによる脇見注意(自戒)。

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アカゲラの子育て

標茶区構内にあるシラカバの木に、アカゲラが巣穴を作って子育しています。
アカゲラはキツツキの仲間で、立木や枯木に穴をあけて営巣します。

親鳥が2羽、周りをうろちょろしているときもありますが、警戒しているのか人が
近くにいるとなかなか巣穴に近づこうとしません。

近くを通るたびにひなの元気な声が聞こえます。
無事に巣立ってほしいと願うばかりです。

動画では、ひなの声のバックに変わった鳥の鳴き声が聞こえるかもしれません。
この鳥についてはまた別の投稿にて紹介する予定です。お楽しみに。

アカゲラ
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今年も咲いたササの花

昨年も投稿した(2023/6/19投稿ササの花)のですが、今年も標茶区林内にてセンダイザサ(オオクマザサ)と思われるササの花が開花しているのを確認しました。白糠の林内でも開花が見られるようです。

昨年は数株のみの確認だったのですが、今年は異なる場所でパッチ上に開花株が広がっている様子で、昨年よりも規模は大きいように感じます。

昨年、北海道内では道北、道央を中心にクマイザサが一斉に開花したとニュースにもなっていましたが、こちらのササはどのような開花のパターンで、開花後はどうなるのか、興味は尽きません。

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ノビネチドリ

研究用渓流水サンプルの採取中、エゾイラクサやミミコウモリなどの草に埋もれるようにノビネチドリが咲いているのを見つけました。綺麗に咲いている姿に出会えてラッキーでした。

見かけた場所はエゾシカの痕跡がたくさんある場所で、踏みつぶされたような跡の株もあり、安泰というわけにはいかないようです。今のところ積極的に保護をしているわけではないのですが、また会えるのを密かに願っています。

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エンレイソウの仲間

研究林内に見慣れぬピンク色のエンレイソウが咲いていました。

標茶区ではオオバナノエンレイソウ(Trillium camschatcense)が群生しているのがよく見られますが

  • オオバナノエンレイソウに比べて花弁が小さく、萼片とほぼ同長
  • 子房が紫がからない
  • 花弁がとがる
  • 花が横向きに咲く
  • 花弁がピンク色になることがある

以上の特徴からミヤマエンレイソウ(Trillium tschonoskii)でないかと判断しました。別名シロバナエンレイソウなのですが、この個体がその名の通り白い花弁だったらきっと見落としていたと思います。

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ニリンソウ

標茶区構内でニリンソウが花盛りです。

某コミックによると「肉のうま味を何倍にもする山菜」とのこと。ただ、トリカブトとの誤食がしばしば報告されていますので、もし試してみたいと思っても、花がついているものを選ぶようにしましょう。また、マダニも出ているので這いつくばって写真を撮るときもご注意ください。

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コミヤマカタバミ

標茶区構内でコミヤマカタバミが咲いていました。

コミヤマカタバミは夜間や雨の日に花や葉がたたまれるという特徴があります。
1枚目は曇りの日の昼過ぎに撮影。花も葉も閉じています。
2枚目は晴れの日の昼間に撮影。木々の下で日が当たりにくいからか、花は結構開いていましたが、葉はだいぶ閉じています。
3枚目は晴れの日の朝に撮影。横から光が入るためか、花・葉ともに開いています。
葉はハート形。開いていても閉じていてもかわいいです。