白糠区

【白糠区概況】

面積:880.4ha 標高:64~270m 北緯:43°01′東経:143°57′
気温:平均:6.8℃ 年降水量:1,255.2mm(1991~2020年)
人工林率:13%
林道:総延長15,419m 密度17.5m/ha

【地理・沿革】

釧路市の西約40km、阿寒山群の南端・白糠丘陵東部に位置します。旧陸軍省軍馬補充部用地跡に 昭和25年(1950年)旧大蔵省からの所管換えを受けて設置されました。

【地形・地質・気候】

海霧
              海霧

標茶区に比べて地形はかなり急峻で、地質は白亜紀および古第三紀に属する砂岩と粘板岩からなります。土壌は褐色森林土で一部に黒色火山灰土もみられます。

気候は表日本型ですが海岸線に近いため比較的温和です。 夏季は最高気温が30℃近くまで上昇することもあります、太平洋岸で発生する海霧の影響を受けるため比較的冷涼な気候で日照不足になりやすい地域です。 冬季は阿寒山群によって北西からの湿った大気の流れが遮られ、 乾いた季節風となって吹き込むため降雪量は比較的少なく積雪深は60cm程度です。 晴天の日が多く、冷え込みは海岸線に近いこともありそれほど厳しくなく、 最低気温が-25℃以下になることはまれです。

【植生】

白糠区6林班
            白糠区6林班

天然林の植生は常緑針葉樹のトドマツとミズナラ、シナノキ、ダケカンバなど落葉広葉樹との針広混交林です。 林縁や撹乱地にはウダイカンバやケヤマハンノキが多く見られ、立木密度は標茶区に比べてかなり高く、後継樹の更新が良好な林分が多いことが特徴です。 低木類はハシドイ、ネムロブシダマ、エゾニワトコなどが多く、エゾシャクナゲも見られます。 林床はミヤコザサが優占するがスズタケの群落も点在しています。 標茶区には分布しないアサダ、シナノキ、ナナカマドなどがあるため標茶区より樹木の種類はいくらか多く、約90種を確認しています。

【人工林】

標茶区の針葉樹林への林種転換の試みと並行して比較試験の目的で、トドマツのほかカラマツ、アカエゾマツ、外国産針葉樹などを植栽してきました。 人工林約110haのうち自生種でもあるトドマツの造林地が82haともっとも多いです。

【動物】

キタキツネ
            キタキツネ

林内にはエゾシカ、キタキツネ、エゾユキウサギ、エゾヤチネズミ、クマタカ、クマゲラなどが生息しており、ヒグマの痕跡を見ることもあります。