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クリーンラーチの芽吹き

4月に入り、標茶でも暖かい日が続いています。
構内の苗畑に仮植してあるクリーンラーチ(カラマツ×グイマツによる雑種F1の材積成長に優れた特定品種)の冬芽が緑色になってきました。

今年、昨年度の植栽地に補植をする予定です。
シカやウサギ、ネズミにやられず元気に育ってくれることを願います。

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白糠の春の妖精

白糠区構内にキバナノアマナとアズマイチゲが咲いていました。

春の訪れとともに開花し、夏までには地上から姿を消す花たちを「スプリング・エフェメラル(春の儚いもの)」、「春の妖精」と呼びます。先日投稿したフクジュソウ以外にエゾエンゴサクやニリンソウ、カタクリなども同じような生活史を持つ仲間です。

他の大型の植物が開葉する前に光合成と繁殖を済まして、地下の栄養器官や種子に栄養を蓄えるもので、儚いと呼ばれるような弱い印象とは裏腹に積極性と見切りの潔さが特徴といえます。

次々に花が咲く様子は散歩をして目にも楽しい季節です。

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フキノトウ

フキノトウ
フキノトウ

3月の終わり、標茶区構内でフキノトウが出てきているのを見つけました。
北海道に分布するのはフキの亜種のアキタブキです。雄株の頭花は黄色っぽく、雌株の頭花は白っぽいので、写真は雌株だと思われます。
春の味覚の一つですね。
ちなみに、秋田弁ではフキノトウを「ばっけ」などの言い方をします。
アイヌ語では「マカヨ」と呼ぶそうです。

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キタミフクジュソウ

全国的に駆け足で桜前線が北上していますが、標茶区も例年よりやや早く3月15日にキタミフクジュソウが開花しました。4月を迎える前に構内ではたくさん咲いています。

他に開花している植物がない中、ハエの仲間などの昆虫が花に訪れています。フクジュソウには蜜腺はなく、パラボラアンテナのような花びらを太陽に向けることで熱を集め、そこに昆虫が引き寄せられて花粉を運んでもらっているそうです。

突然の大雪で一面雪景色になる可能性もまだあるのですが、日だまりに咲く小さな太陽は春の訪れを告げているようです。

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イベント フィールド

初夏の花観察会 北海道フラワーソン2022

標茶区にて初夏の花観察会 北海道フラワーソン2022を開催しました。

北海道フラワーソンは北海道全域で5年に1回、同じ時期に開花している植物を探す市民参加型の調査イベントで、北海道研究林としては自然観察会の一環で参加を募って実施しました。

イベントには16人が参加し、研究林スタッフと一緒に林道脇、湿地、造林地、新植地などさまざまな環境で花探しをしました。普通に歩いていても目に留まらない小さな花も見つけ、観察会では101種の花(つぼみ、花終わり含む)を発見しました。

植物や鳥類などの目録の作成も業務で取り組んでいますが、草本植物は種数も多く、開催にあたっては職員で予習をして臨みました。初めて目にする花との出会いや、微妙な違いにも目を向けることで勉強になりました。

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チトセバイカモ

バイカモ

環境DNAの採水をしている小河川にチトセバイカモ(Ranunculus yesoensis)が咲いていました。

本州と北海道に分布しているバイカモ(Ranunculus nipponicus var. submersus)は、湧水起源の水路など15℃前後で流量が安定した場所に生育する沈水植物です。漢字で書くと「梅花藻」で梅の花に似た花が特徴的です。清流のイメージと相まって、保全活動が行われている場所もあります。

よく似ているのですが、全体的に小型で花床に毛がないものをチトセバイカモと分類し、北海道の固有種です。

標茶区の河川は勾配が緩く、湧水も見られるなど、流量、水温ともに安定していて生育には適しているのか、群落としては小規模ながら随所でチトセバイカモを見ることができます。ただ、3年ほど前までは川底一面を覆うくらい繁茂していたのですが、春の大雨で流されて激減しました。

湿地を縫って流れているこの小河川には綿毛をまとった柳の種も流れていました。

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イタヤカエデの花

イタヤカエデの花
イタヤカエデの花

次々と開葉、開花の始まっている標茶区です。作業道の巡視中にたくさん花を着けたイタヤカエデを見かけました。黄色いのでぱっと見では花と気が付かないかもしれませんが、枝先がもこもこしており、近づくと満開状態でした。

今年の秋にはプロペラ(イタヤカエデの種子)が降り注ぐかもしれません。

樹木の開花や種子の生産は年によって豊凶があります。他にも、シラカンバやヤチダモも昨年以上の花を咲かせているように感じます。

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フクジュソウ

フクジュソウ

日差しに力強さが戻り、凍りついていた構内の雪も目に見えて減ってきました。

いち早く雪が解けた木の根元に、フクジュソウの黄色い花が咲いていました。

道東地域では1つの茎に1つだけ花をつけるキタミフクジュソウ (Adonis amurensis) が多いのですが、こちらはフクジュソウ (Adonis ramosa) です。茎に複数の花がつき、葉の裏には毛がありません。

少し離れた場所にはキタミフクジュソウも咲き始めており、白い雪と茶褐色の地面にあって陽だまりのように輝く花が春の訪れを彩っています。

これから樹木の開葉が完了するまでの期間、太陽の光が降り注ぐ明るい林床でスプリング・エフェメラルと呼ばれる植物が、ひとときの光を活用すべく次々と開花させます。

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ゼンテイカ、エゾカンゾウ、ニッコウキスゲ

構内にゼンテイカの黄色い花が咲いていました。
 
エゾカンゾウやニッコウキスゲも同種(北海道のものはエゾゼンテイカと分ける説もあるとのことです)で、ぼんやりと種名だけを認識していると、何種も黄色いユリがあるように混乱してしまいそうです。
どれもメジャーな呼び名なだけに紛らわしいものです。
さらっとユリと書いたものの、もともとユリ科というグループに属していましたが、(植物分類が)遺伝子解析の結果ススノキ科に分類され、さらにツルボラン科へ変更されたとのこと。
ますますややこしいです。
 
ユリが次々咲きだすと初夏を感じます。
林内も構内も草が一気に伸びてきました。
牧草地の採草も始まっています。
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クロユリ

調査に入った谷間の湿地でクロユリがたくさん咲いていました。
急に初夏の装いとなり、見られる花も夏モードとなってきましたが、暑さに慣れない体には堪えます。