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フィールド 業務

土壌凍結の測定

地下から取り出した土壌凍結深度計。地表面から透明の部分までが凍結している。

標茶区のある北海道東部では季節凍土が発生します。

気温が低く、断熱効果のある積雪が少ないと、土壌の熱が奪われて地表面から徐々に凍っていきます。

土壌凍結の進み方を観測するためにメチレンブルー土壌凍結深度計を使用しています。メチレンブルー土壌凍結深度計は、凍結すると青から無色透明になるメチレンブルーの特性を利用したもので、地表下で0℃となっている面の深さを知ることができます。

現在の深さは約35cmで例年より若干浅めのように感じます。ちなみに今朝の最低気温は-18.1℃(ぬるい)、積雪は37cmでした。

凍結の進み方は気温だけでなく積雪状況による部分も大きいようで、年によって変動があります。まとまった雪が降る時期が遅れると凍結が進み、1月中の積雪が20cmに満たなかった2017年から2018年にかけての冬には56cmまで凍結していました。

森林域では土壌中の水分が凍ることで凍上が発生して植物の根がダメージを受けたり、樹木の水分通導を阻害したり、鉛直方向の水分の動態が変わることでそれに伴う物質循環に影響を及ぼすと言われています。

気候変動により冬期の気温が上昇したり、積雪の状況が変化すると季節凍土の発生状況も変化すると予想されます。それが森林の生態系にどういう影響を及ぼすのか、その指標とすべく、”しばれる”朝にも日々観測を続けています。

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イベント フィールド

しべちゃアドベンチャースクール 開催

1月21日に標茶区にて、しべちゃアドベンチャースクール ステージ6「2町村合同 冬の野外活動」を標茶町教育委員会との共催で開催しました。
標茶町と鶴居村から13人の小学生が参加しました。
参加者はスノーシューを履いて冬の山に入り、樹木の様子や動物の痕跡、雪などの観察を行いました。

少々寒い1日でしたが、仲間と一緒に雪山を探索することで、楽しく過ごせたのではないかと思います。

 

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フィールド 業務

直営皆伐カラマツ造材

夕日に照らされながら採材中

直営で進めているカラマツの皆伐も終盤に入ってきました。今は造材(材の太さや質を見て製品ごとに決まった長さに丸太をチェーンソーで切っていく作業)、はい積み(製品ごとに丸太を山にしていく作業)を行っています。

今年の事業地は63年生のカラマツです。胸高直径50cmほどの木もあり、立木1本で2t、玉切した丸太1本でも300kgを超えるようなものもあり機械の力が必須です。効率と安全性の両面で機械のオペレーターと作業者・指示者間のコミュニケーションが重要なのですが、今年導入した無線のインカムはストレスなく会話ができるので効果抜群です。ただ、無意識に発する「よっこいしょ」もばっちり伝えてしまうので注意が必要です。

研究林では齢級の平準化と資源の循環利用を念頭に、徐々に造林地の更新を図っています。皆伐跡地は学生実習での植栽を予定しています。

撮影は午後3時27分。刻々と日没が迫る中、夕日に照らされながら採材する様子です。働く男は絵になると思いますが、いかがでしょう。

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フィールド 業務

野生動物の自動撮影調査、10月の一押し

北海道研究林では2010年より赤外線センサーカメラによる野生動物の自動撮影調査を行っています。
野生動物の生息実態を把握するとともに、同じ場所、同じ方法で調査を継続することで野生動物の生息状況の変化などを観察しています。

10月の2週間、標茶の6地点で実施した調査ではエゾシカ、キツネ、タヌキ等が多く写っていました。加えて、ヒグマも2回撮影されました。ヒグマは低頻度ながらコンスタントに撮影されています。基本的には夜間に撮影が集中しています。業務で山に入る際には警戒はするのですが、遭遇例はほぼありません。

また、エゾシカの雄2頭が角を突き合わせていると思われる様子が撮影できました。調査の特性上、ただカメラの前を通過している画が多くなり、こういった行動が撮影できるのは貴重なものと思います。

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フィールド 実習

酪農学園大学 水圏地圏総合実習

9月12日から16日に、酪農学園大学の水圏地圏総合実習が行われました。

12日から14日、14日から16日の2グループに分けて行われ、それぞれ学生14名、13名が参加しました。
樹木識別、クリーンラーチ植栽、バイオマス測定、毎木調査、土壌調査などを行いました。


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フィールド 実習

研究林実習Ⅲ

8月26日から9月2日の8日間、京都大学の研究林実習Ⅲが行われました。
農学部から18名の学生が参加しました。
天然林毎木調査、土壌調査、植栽、樹木識別、人工林調査、選木、チェーンソー体験、西別岳登山といった活動を行いました。

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フィールド 実習

2022年度 森里海連環学実習Ⅱ

【標茶区】9/4~10に森里海連環学実習Ⅱが行われ、京都大学の学生7名、北海道大学の学生7名が参加しました。この実習は北海道大学と合同で行われるもので、前半は京都大学北海道研究林で、後半は北海道大学厚岸臨海実験所で行われます。

前半(~9/7)の北海道研究林では、天然林毎木調査、土壌調査、造林地見学、パイロットフォレスト見学、河川の水生生物調査および水質調査を行いました。

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フィールド

白いカラス

夏頃から事務所周辺に白いカラスが出没しています。

ハシボソガラスのアルビノ(遺伝的に色素がない個体)でしょうか。

「今日は〇〇にいた。」と、目撃情報が話題になるなど、気になる存在です。

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フィールド

木登りセミ

木に登るセミの幼虫

林内での作業後、一息ついているとカラマツの幹をセミの幼虫が登っていました。

セミの抜け殻はよく見るのですが、動く幼虫は新鮮でつい見入ってしまいました。

事務所に戻って何の種か調べようとしたのですが、抜け殻での識別は触角が重要なカギとなっているようで、ピントが怪しい写真と、サイズも測定していないうろ覚えの記憶では「恐らくエゾゼミ、かなぁ」までしかたどりつけませんでした。研究林あるあるです。

また山に入った際に手に届く範囲で羽化して、抜け殻が残っていることに期待します。

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イベント フィールド

沼幌小学校 木工教室

沼幌小学校の1,2年生9人が来研し、木工教室を行いました。

今回は初の試みで、モルックというフィンランドの伝統的なゲームを元に開発されたスポーツに挑戦しました。ただゲームをするだけではなく、実際に丸太を森から運び出して道具を作り、木の種類や使い道、森の手入れについて学び、さらには足し算、引き算の練習までするという盛りだくさんなメニューとなりました。

初めての体験に始めは悪戦苦闘していましたが、2年生が1年生をリードしてあげるなど、チームで協力して取り組んでいました。先生や職員も初体験のモルック。シンプルながら奥深い魅力につい熱くなってしまいます。