昨年度に直営で植栽を行ったクリーンラーチの一部(20本)が、おそらく冬季の積雪により倒れてしまい、横に寝たような状態になっていました。このままだと、植栽木の葉が草に隠れ成長に悪影響を及ぼします。また木が曲がって成長してしまうことにより、材質にも悪影響を及ぼします。
そこで添え木をして植栽木の管理を行いました。この木が収穫される時の姿は分かりませんが、未来に向けて健全に育ってほしいです。
※クリーンラーチについては「電気柵の張替え」の記事をご参照ください。


昨年度に直営で植栽を行ったクリーンラーチの一部(20本)が、おそらく冬季の積雪により倒れてしまい、横に寝たような状態になっていました。このままだと、植栽木の葉が草に隠れ成長に悪影響を及ぼします。また木が曲がって成長してしまうことにより、材質にも悪影響を及ぼします。
そこで添え木をして植栽木の管理を行いました。この木が収穫される時の姿は分かりませんが、未来に向けて健全に育ってほしいです。
※クリーンラーチについては「電気柵の張替え」の記事をご参照ください。
環境DNAの採水をしている小河川にチトセバイカモ(Ranunculus yesoensis)が咲いていました。
本州と北海道に分布しているバイカモ(Ranunculus nipponicus var. submersus)は、湧水起源の水路など15℃前後で流量が安定した場所に生育する沈水植物です。漢字で書くと「梅花藻」で梅の花に似た花が特徴的です。清流のイメージと相まって、保全活動が行われている場所もあります。
よく似ているのですが、全体的に小型で花床に毛がないものをチトセバイカモと分類し、北海道の固有種です。
標茶区の河川は勾配が緩く、湧水も見られるなど、流量、水温ともに安定していて生育には適しているのか、群落としては小規模ながら随所でチトセバイカモを見ることができます。ただ、3年ほど前までは川底一面を覆うくらい繁茂していたのですが、春の大雨で流されて激減しました。
湿地を縫って流れているこの小河川には綿毛をまとった柳の種も流れていました。
本学の研究林実習Ⅲと酪農学園大学の実習で植栽したクリーンラーチ(カラマツ×グイマツ雑種F1)造林地の電気柵を張替えました。
電気柵の設置目的は鹿による植栽木の頂芽食害を防ぐためです。6年前に実習で植えたクリーンラーチが大きくなり、頂芽を食べられる心配がなくなったので、電気柵を撤去し隣の区画との境に新たに電気柵を設置しました。
電気柵の電線を回収する作業が思っていたよりも難航しましたが、無事に張替えることができました。
5月26日に標茶中学校1年生59名が、遠足で標茶区を訪れました。標茶小学校の遠足では毎年管理棟構内に来られていますが、中学校の遠足では初めての利用でした。
晴天の下、2林班から1林班の林道 約5kmの行程を2時間半歩き、植物を観察し、鳥の声に耳を傾け、アカエゾマツの間伐地なども見学しました。
同じ標茶町内ですが、普段見ている環境とは違った発見があったなら幸いです。
5月20日に標茶町立標茶小学校3年生の児童31名が遠足として当研究林にやってきました。この遠足は標茶小学校の恒例行事となっています。
今年は構内を歩く前に研究林内で見られる動物の話をし、そのあとに構内を歩きつつ間伐や丸太の話、植物の話などをしました。どの話にも質問をたくさん投げかけてくれ、真剣に聞いていることがわかりました。
特に今年の児童たちには山菜の話が受けがよく、三つ葉やこごみの話は興味深げに聞いてくれていました。
今回の遠足で少しでも自然が身近に感じられるようになってもらえれば幸いです。
次々と開葉、開花の始まっている標茶区です。作業道の巡視中にたくさん花を着けたイタヤカエデを見かけました。黄色いのでぱっと見では花と気が付かないかもしれませんが、枝先がもこもこしており、近づくと満開状態でした。
今年の秋にはプロペラ(イタヤカエデの種子)が降り注ぐかもしれません。
樹木の開花や種子の生産は年によって豊凶があります。他にも、シラカンバやヤチダモも昨年以上の花を咲かせているように感じます。
4月20日・21日に、菌類に関する研究補助で土壌の採取を行いました。
20日は標茶、21日は白糠にて採取しました。
研究者の指示に従い、上部の土壌から匙の長さの半分ほどの深さの土壌まで、匙を使って容器に入れました。落葉などのリター層もある程度含めて採取しました。容器に入れる際は押し込むようにしっかりと入れました。
今は融雪期にあたり、場所によってはまだ土壌凍結しています。山の植生や地形等を熟知していないと、研究に適した場所を提案することも難しいシーズンです。
案の定日当たりの悪いところではまだ雪が残っていました。
雪の下の土壌は未だに凍っておりカチカチでした。
雪の近くの土壌も採取したいとのことで、凍結した土壌を頑張って砕き、土壌を採取しました。
今回採取したサンプルを持ち帰り、解析を行うそうです。
良い結果が出るといいなと思います。
構内の見本林を整備している最中、日向でじっとしているエゾアカガエルに遭遇しました。
冬眠明けでまだ本調子じゃないのでしょうか。それとも見つかっていないと思っているのでしょうか。至近距離で撮影させてもらいました。
北海道には在来のカエルとしてニホンアマガエルとエゾアカガエルが生息しています。
そのエゾアカガエル、学名はRana pirica。アカガエルの仲間であることを示すRanaにアイヌ語で「美しい・可愛い」を意味するpiricaと名づけられています。一方で、アイヌ語では「美しい」要素はなく、テレケプ(飛ぶ者)、オオワッ(鳴き声に由来)と呼ばれています。
この時期は繁殖期にあたり、水たまりではにぎやかに鳴いている様子を観察することもできます。
日差しに力強さが戻り、凍りついていた構内の雪も目に見えて減ってきました。
いち早く雪が解けた木の根元に、フクジュソウの黄色い花が咲いていました。
道東地域では1つの茎に1つだけ花をつけるキタミフクジュソウ (Adonis amurensis) が多いのですが、こちらはフクジュソウ (Adonis ramosa) です。茎に複数の花がつき、葉の裏には毛がありません。
少し離れた場所にはキタミフクジュソウも咲き始めており、白い雪と茶褐色の地面にあって陽だまりのように輝く花が春の訪れを彩っています。
これから樹木の開葉が完了するまでの期間、太陽の光が降り注ぐ明るい林床でスプリング・エフェメラルと呼ばれる植物が、ひとときの光を活用すべく次々と開花させます。
寒さの厳しい標茶でも、冬が終わりに向かい春が近づいて来ているように感じます。
この時期の雨は土壌凍結の影響で水が地面に浸透しにくいうえ、積雪を融かすため、降水量以上の出水を引き起こします。そのため、大雨の予報が出た際は近隣の河川の氾濫や洪水に注意が必要です。過去には何度も氾濫、洪水が起きて管理棟や宿舎が浸水被害を受けています。
3月19日土曜日の夜中から翌日の朝にかけて大雨の予報が出ており、対策として止水パネルを準備しました。