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春の息吹

標茶区ではいろいろな樹木が芽吹いています。
林内ではエゾニワトコやハシドイ、ホザキシモツケなどが芽吹き始めているのを見ました。

構内でもノリウツギの冬芽が緑色になってきています。
ハリギリの稚樹の先端を見て、芽吹いてきたのかと思いましたが、よく見ると枯れていて、去年の葉っぱの残りのようです。芽吹きはいつ頃でしょうか。
ハリギリの稚樹はトゲがとてもしっかりしていて痛そうです。
近くにあるミズキやオニグルミ、ノリウツギなどは結構シカにかじられていますが、ハリギリは無事です。

構内ではバイケイソウも生えてきています。
芽出しの時期は、ギョウジャニンニクと似ていますが、毒があるので食べないようご注意ください。

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エゾエンゴサク

エゾエンゴサクが咲いています。
林道巡視中に撮影しました。
林道をふさぐ倒木を処理し、久々の体力作業に疲れている中、爽やかな青紫色の花に癒されました。

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春の林道巡視

標茶区は冬に土壌が凍結します。凍結すると水分がより深い土壌中から氷に引き寄せられます。

春になると凍ってカチコチだった路面が表面から解け、さらに冬の間の積雪が融解することで、たっぷりと水を含んだ路面はとても緩くなり、春の大型連休あたりまで車両の通行ができません。

緩んでいた路面も落ち着いた様子だったので、例年より若干早いですが林道の巡視に行きました。

冬の間の強風や着雪によって発生した倒木や、無数にある落枝、林道に残されたシカの角を除去し、路面、路盤に異常がないかも確認しました。研究者や学生が安全に利用できるよう、受け入れの準備を進めています。

車に乗っては少し移動して降り、中腰で枝を拾っては路外に捨ての繰り返しです。室内仕事が続いて体がなまったところにこの作業。疲れがにじむ四十路の背中です。

そして、そんな作業をした翌日には得てして大荒れの天気になるものです。

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アオイスミレ

標茶区構内にて、アオイスミレが咲いています。

アオイスミレは標茶区構内でみられるスミレの中では一番早く咲きます。
標茶でも少しずつ花が増え始め、春の空気になってきたことを感じます。

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クリーンラーチの芽吹き

4月に入り、標茶でも暖かい日が続いています。
構内の苗畑に仮植してあるクリーンラーチ(カラマツ×グイマツによる雑種F1の材積成長に優れた特定品種)の冬芽が緑色になってきました。

今年、昨年度の植栽地に補植をする予定です。
シカやウサギ、ネズミにやられず元気に育ってくれることを願います。

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白糠の春の妖精

白糠区構内にキバナノアマナとアズマイチゲが咲いていました。

春の訪れとともに開花し、夏までには地上から姿を消す花たちを「スプリング・エフェメラル(春の儚いもの)」、「春の妖精」と呼びます。先日投稿したフクジュソウ以外にエゾエンゴサクやニリンソウ、カタクリなども同じような生活史を持つ仲間です。

他の大型の植物が開葉する前に光合成と繁殖を済まして、地下の栄養器官や種子に栄養を蓄えるもので、儚いと呼ばれるような弱い印象とは裏腹に積極性と見切りの潔さが特徴といえます。

次々に花が咲く様子は散歩をして目にも楽しい季節です。

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フキノトウ

フキノトウ
フキノトウ

3月の終わり、標茶区構内でフキノトウが出てきているのを見つけました。
北海道に分布するのはフキの亜種のアキタブキです。雄株の頭花は黄色っぽく、雌株の頭花は白っぽいので、写真は雌株だと思われます。
春の味覚の一つですね。
ちなみに、秋田弁ではフキノトウを「ばっけ」などの言い方をします。
アイヌ語では「マカヨ」と呼ぶそうです。

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フィールド

キタミフクジュソウ

全国的に駆け足で桜前線が北上していますが、標茶区も例年よりやや早く3月15日にキタミフクジュソウが開花しました。4月を迎える前に構内ではたくさん咲いています。

他に開花している植物がない中、ハエの仲間などの昆虫が花に訪れています。フクジュソウには蜜腺はなく、パラボラアンテナのような花びらを太陽に向けることで熱を集め、そこに昆虫が引き寄せられて花粉を運んでもらっているそうです。

突然の大雪で一面雪景色になる可能性もまだあるのですが、日だまりに咲く小さな太陽は春の訪れを告げているようです。

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イベント フィールド

令和4年度中国・四国・近畿地区大学附属演習林等技術職員研修開催

3月8日・9日に標茶区にて令和4年度中国・四国・近畿地区大学附属演習林等技術職員研修が開催されました。各地の大学から計8名が参加しました。
1日目は標茶町博物館の見学と塘路湖周辺の散策、標茶区構内の見学を行いました。夕方には林長による概要説明と講義がありました。
2日目の午前中は山スキーを履いて冬の樹木識別を行いました。北海道研究林職員により、識別ポイントの解説を受けながら、冬芽や樹皮などを観察しつつ山スキーの体験をしました。冬芽による識別を新しく感じた受講者も多かったようで、各々吸収するものがあったのではないかと思います。
2日目の午後には積雪調査とスノーシューを履いての樹木識別を行いました。だいぶ暖かくなってきており、はっきりとした層の違いを見ることはできませんでしたが、調査の方法や雪崩の起きやすさとの関係などを学びました。
各大学の技術職員が集まることで、情報交換も行われ、お互いに実りある研修となったのではないかと思います。

 

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フィールド 実習

2022年度 研究林実習Ⅳ

【標茶】2/20~26に、本学の農学部森林科学科の学生を対象とした研究林実習Ⅳが行われました。今年度の参加学生数は18名でした。

新型コロナウィルス感染対策等でここ数年は実施できておりませんでしたが、今年度は実施が叶いました。

研究林内では冬季の樹木(冬芽等)識別と自然観察、特用林産物生産体験、積雪調査、天然林毎木調査、樹木識別テストを行いました。また地域の林産業と道東の自然観察として木材コンビナート、トドマツ精油抽出プラント、阿寒摩周国立公園周辺地域の見学を行いました。

質疑応答が途切れることなく続き、やや時間が押してしまうなど大変意欲的な姿勢が印象的でした。直前の下見では動いていても体の芯まで冷える寒さでしたが、幸い実習期間中は概ね天気も良く活動しやすい気候となりました。健康を害さない程度でほどよく道東の寒さを体感してもらえたことでしょう。実習自体の充実はもちろんですが、それ以外の部分でも良い体験をする機会になっていれば嬉しいですね。