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高所作業車を使った枯れ木の伐採

2025年7月に試験地の正門付近に見本樹として植えられていたアメリカトガサワラ(Pseudotsuga menziesii)の立ち枯れが確認されました。このままでは、落枝による被害が予想されたため伐採を行うことになりました。アメリカトガサワラはベイマツとも呼ばれ、優良な建築材として使われています。伐採した木は胸高直径54cm、樹高19mでした。根元から伐倒すると周囲の見本樹に被害が及ぶので、レンタルした高所作業車で先端から順に処理していく方法をとりました。使用したのは作業床(バケット)の最大高さが22mになる高所作業車で、バケットからは遠くまで見渡すことができるので、普段とは違う試験地の風景を見ることができました。伐採作業は技術職員2名で行いました。一人はアーム等が木に接触しないように慎重にバケットを操縦し、もう一人はチェーンソーで枝や幹を切っていきます。狭いバケット内では、エンジンチェーンソーが扱いにくく、バッテリーで動く電気チェーンソーが活躍しました。作業は順調に進んで、およそ半日ほどで伐採作業を終了しました。
余った時間を利用して、高所作業車を使って温室のガラスの掃除をしました。普段は手が届かない落ち葉が積もったガラスも、水を流してモップで擦ってキレイになりました。

文:北川 陽一郎

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里山林づくりのための外国産マツの伐採

本試験地では、多くの外国産マツ(以下、マツという)を育成していますが、一部のマツは風倒等で現存数が少なくなっており、見本林として維持することが困難となっているエリアがあります。そこで、里山創生プロジェクトの一環として、2024年度からコナラやクヌギなどの苗木を植栽し、里山林への樹種転換を開始しました。2026年3月には、昨年度に引き続き、新たにこれらの苗木を植栽するイベントを予定しており、植栽エリアの確保を目的に、支障となるマツを同年1月から2月にかけて伐採しました。伐採したマツは計16本で、その胸高直径(以下、直径という)は平均41cm、樹高は推定で平均21mあり、安全に伐倒するためには技術力が求められます。直径の大きい個体や傾斜木は、チェーンソーに加え牽引具などを併用し、技術向上のため職員が交代で伐倒しました。伐採後は、重機に付属するウィンチで幹や枝葉を集積し、地拵えを行いました。幹材は実習等で行う薪割り体験や燃料等に利用する予定です。
※一連の作業はすべて有資格者が行っています。

text/長谷川 敦史

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モニタリングサイト1000堆積落葉層および土壌採取

7月23日に、モニタリングサイト1000(以下、モニ1000という)に係る調査を行いました。モニ1000は「日本の複雑で多様な生態系の劣化をいち早くとらえ、適切に生物多様性の保全へつなげる」ことを目的に、環境省が2003年に始めた事業で、全国に1000か所以上の調査地(サイト)があります。当試験地は2007年より森林・草原調査のコアサイトの一つとして、毎年調査を行っています。今回は堆積落葉層および土壌の動態を把握するため、これらの採取を行いました。この採取は甲虫調査の一環として行っています。堆積落葉層は堆積有機物層ともいわれ、A0層と表記されます。A0層の性状により、その下に続くA、B層といった土壌層への水の浸透性(浸透能)が変わります。A0層は、25cm四方の枠を基準に、その範囲内の有機物を、剪定鋏や根切りナイフ等を用いながら、採取します。土壌層に近くなるほど、有機物が細片化し、土壌層との境が判りにくくなります。土壌は3年に一度の頻度で、先に採取したA0層の下部に、採土円筒(約100cc)を土壌の上面と一致するまで埋め込み、根切りナイフ等を用い円筒の下面を押さえながら引き出します。円筒からはみ出た礫や樹木等の根を取り除き、採取します。
モニ1000調査に関する詳しい内容はこちら

text/長谷川 敦史

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簡易搬器を用いたロープ集材技術に関する現地検討会の実施

上賀茂試験地では、本学の技術職員および教員のほか、他大学や教育機関の関係者や一般の方と共同で里山整備に取り組んでいます。その一環として、一部のマツ林を里山(広葉樹林)に転換する施業を進めており、その際に生じるマツ材の搬出や地拵え等において、簡易搬器やポータブルウィンチを活用し作業効率を高めています。そこで、今回は他の研究林・試験地の技術職員が集まり、これらの集材装置を使用した材(以下、荷という)の搬出および集積技術の向上・普及を目的とした現地検討会を実施しました。初日はガイダンスの後、技術資料として集材装置の設置や動作に関する動画を視聴し、現場でのイメージトレーニングを行いました。その後現地に移り、各器材の設置を手分けして行い、集材にかかる各工程や集材する荷と搬器との位置関係、安全面を再度確認しました。昼食の後、一度荷の吊り上げから移動、荷下ろしまでの工程を手分けして行い、ロープの張りや、牽引作業の調整を行いました。その後、職員が各工程間を移動し終えたところで終了となりました。翌日は、前日の作業風景を撮影した動画を用いて反省会を行いました。工程の中で、危険なポイントを洗い出し、次回以降への改善点を整理して無事検討会を終了することができました。

text/長谷川 敦史

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ナラ枯れ防除シート施工

4月19日に研究調査対象木にナラ枯れ防除のためのシート施工を行いました。ナラ枯れは、ブナ科のナラ類やシイ・カシ類などが病原菌(Raffaelea quercivora)とこの菌を媒介するカシノナガキクイムシ(Platypus quercivorus)によって枯死する伝染性の病気です。このカシノナガキクイムシが、ナラ等の樹幹にアタックして穿孔できないようにする方法の一つとして、このシート施工が広く普及しています。施工にはシートを2種類用い、下部から上部に向かって巻き付けます。下部にはビニールハウス用シート(非接着性)を根張り等も含めて巻き付け、それより上部には接着性のある梱包用シートを巻き付けていきます。できるだけ上部まで施工し、要所にはシートがはがれないようガムテープやガンタッカーで固定します。試験地では、2006年に初めてナラ枯れ被害が発生し、2010年度をピークにその後徐々に減少し、一旦終息しましたが、昨年度にこの対象木の近接地に再び発生がみられました。

text/長谷川 敦史