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フィールド

フクジュソウ

フクジュソウ

日差しに力強さが戻り、凍りついていた構内の雪も目に見えて減ってきました。

いち早く雪が解けた木の根元に、フクジュソウの黄色い花が咲いていました。

道東地域では1つの茎に1つだけ花をつけるキタミフクジュソウ (Adonis amurensis) が多いのですが、こちらはフクジュソウ (Adonis ramosa) です。茎に複数の花がつき、葉の裏には毛がありません。

少し離れた場所にはキタミフクジュソウも咲き始めており、白い雪と茶褐色の地面にあって陽だまりのように輝く花が春の訪れを彩っています。

これから樹木の開葉が完了するまでの期間、太陽の光が降り注ぐ明るい林床でスプリング・エフェメラルと呼ばれる植物が、ひとときの光を活用すべく次々と開花させます。

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研究ハイライト

日本新産種のキクラゲAuricularia americana s. str.

北海道研究林白糠区で採取されたキクラゲが日本国内で初めて記録された種として報告されました。

このキクラゲは2020年9月に天然林での調査中にトドマツの落枝についていたものと、2021年4月にトドマツ造林地の除伐中に、枯死した個体の幹についていたものを技術職員が採取したもので、栃木県内のウラジロモミに発生していたものとともに、三重大学の白水貴博士らによって分子系統解析と形態比較が行われA. americana s. str.と同定されました。

これまで国内において正式なA. americana s. str.の報告がないため,本種の日本初報告となりました。
北海道から多くの標本が得られたことから、A. americana s. str.の和名としてキタキクラゲと提唱されました。

白水博士によると、市場に広く流通しているキクラゲ属菌の栽培では、培地の主原料として広葉樹材が用いられており、針葉樹材の利用は不適とされています。
一方、A. americana s. str.の子実体はモミ属やマツ属などマツ科の針葉樹材上に発生することから、針葉樹材を用いたキクラゲ属菌栽培手法の確立において有望な系統となることが期待されています。

枯死したトドマツについていたキクラゲ
枯死したトドマツについていたキクラゲA. americana s. str.
Microscopic morphology of Auricularia americana s. str. (TNS-F-91421). A: Abhymenial hairs. B: Basidia. C: Basidiospores. Bars: A 20 µm; B, C 10 µm.

白水貴,大前宗之,新井文彦,稲葉重樹,服部友香子(2021)日本新産種Auricularia americana s. str. (キクラゲ目).日本菌学会会報62.125–130

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フィールド 業務

越冬期の鳥類調査

林内で観察される野鳥のリストを作成すべく、夏期に続いて、越冬期の鳥類調査を行いました。

鳥類調査中

調査はあらかじめ決めたルート上の5地点を往復、それぞれ10分間に観察できた鳥を記録します。

調査開始時点の気温は約-13℃。スノーシューを履き、雪に覆われた林道を歩きます。調査中はほとんど動かないのでペンを持つ手もかじかみ、音声録音用のレコーダーの電池もすぐに消費してしまいました。

寒すぎなのか事務所周辺ではよく見るハシブトガラやゴジュウカラなどの小鳥たちは姿をほとんど見せず、カラスが鳴くばかり(牧場の多い標茶はカラスが多い)。正直盛り上がりに欠ける調査になりかけましたが、終盤にオオワシの群れが出没しました。以前より標茶でオオワシやオジロワシを見る機会は増えているように感じます。

鳥類調査はこれまで経験がなく、声だけとか、姿が見えても一瞬だけ、それも逆光で色が良くわからないなど、植物にない難しさがありますが、トレーニングして識別能力を身につけたいと思います。

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フィールド

霧氷の朝

霧氷をまとったオオアワダチソウ

昨夜は町内に濃い霧がたちこめた標茶町。朝になると周囲の木々は真っ白に霧氷をまとっていました。

今朝の最低気温は-14.5℃でしたので、標茶にしてはそれほどの冷え込みではありませんが、空気中の水蒸気の量や風などの気象条件がそろうと霧氷が発達します。

遅い遅いと言われたこの冬の冷え込みも徐々に厳しくなり、10センチ程の積雪もこのまま春まで解けないように思われます。

国内屈指の厳しくも美しい冬がやってきました。

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フィールド

エゾモモンガ

エゾモモンガ

白糠での天然林の調査中に木に空いた小さな穴(樹洞)を発見。「モモンガとかいるかも」と思いつつ調査をしていると中からモモンガが飛び出してきました。

エゾモモンガはキツツキが空けるなどしてできた樹洞を利用しており、樹洞のあるような古い木が存在することで生息することができます。中が腐ったような木は林業的には欠点となりますが、多様な生物が生息する環境を提供しています。

夜行性のエゾモモンガ氏。睡眠中に叩き起こした形となり、思いっきり警戒されましたがシャッターチャンスをサービスしてくれました。

つぶらな瞳がたまりません。

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イベント フィールド

自然観察会「秋の森の生態系」レポート

10月2日に標茶区で自然観察会「秋の森の生態系」を開催しました。観察会は京大ウィークスの一環として行ったもので、標茶区での開催は初めての試みでした。

観察会には町内外から10名が参加しました。天然林を流れる小河川のそばに設定した観察コースでは、地下水の自噴する様子を見たり、水質分析や魚類調査など研究の一端を見学しました。昼には前日から残っていた雨も止み、参加者は紅葉の始まった森を歩きながら、樹木の解説を受けたり、ヤマブドウやサルナシ、チョウセンゴミシ、ドングリといった秋の実りを楽しんでいました。

参加者からは「一緒に歩いてくださったスタッフの方が、それぞれ見つけたものをシェアしてくれたのがとても楽しかったし勉強になりました」、「みなさんとお話ししながら、聞きたいことを気軽に聞ける雰囲気がよかったです」、「湧き水のデモがおもしろかった」、「山ぶどうと五味子がおいしかった」といった声が寄せられました。

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フィールド 業務

秋の天然林調査

固定標準地調査シーズン真っ盛りです。どのような木がどれくらいあって、どれくらい生長しているか5年間隔で測定しています。夏は樹木の活動期なので肥大生長が落ち着いた時期に行います。

季節は巡り、気づけばすっかり秋色の森になっていました。落葉してしまうと見通しはいいのですが、樹種や生死が分かりにくくなるので注意が必要です。

調査データは以前は紙野帳に記載していましたが、この数年は現地でタブレットに入力しています。野帳担当者は森の中にいるのに、ほとんどタブレットとにらめっこ状態。木の状態を見たり、調査漏れがないか確認するため意識して視線を上げるのですが、ナンバーテープにピントがすぐに合わないことに老化を感じます。

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フィールド

タマゴの中からこんにちは

トドマツ造林地の林床に白い物体。タマゴのような姿がとてもよく目立ちます。

正体はキノコの幼菌。成長すると白い外被膜が割れて、中から傘が現れ成長し、胞子を飛ばします。涼しくなってきて、秋のキノコがたくさん発生していました。

種類はテングタケやタマゴタケの仲間なのは間違いないのですが。いまのところミヤマタマゴタケが有力です。もし違っていたらお知らせください。近くには傘の赤いタマゴタケも発生していました。

テングタケの仲間は猛毒のものも多く、ザ・キノコな見た目につられて採取してうっかり食べないようにしましょう。

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フィールド 業務

オンライン教材作成中

コロナ禍でこの夏予定されていた学生実習がすべてオンライン化もしくは場所の変更となり、北海道研究林での開催はなくなってしまいました。学生の姿のない夏は寂しいものです。

利用される先生からの依頼を受けてオンライン教材の作成に取り組んでいます。

現場での経験と比べて学習効果的にどれほど替わりになるか未知数ですが、少しでも学生に伝わればと思います。VRやAR技術が進んで、近い未来にはオンラインによる学習環境が向上すると思いますが、うまく組み合わせて、コロナ以前を上回るような実習を提供できる態勢にしたいと思います。

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イベント

京大ウィークス2021 自然観察会「夏の森の生態系」のお知らせ

北海道研究林では市民の皆様を対象に、白糠区で自然観察会を実施します。

普段は研究教育に活用している研究林を少人数で散策しながら、スタッフの解説で動植物の営みについて学びます。夏の森を満喫しましょう。

新型コロナ感染症の状況によっては、中止、変更する場合がございます。

チラシへのリンクはこちら

  • 開催日時
    • 2021年7月31日(土)10:00-15:30(受付開始9:30)【雨天決行】
  • 開催地
    • 京都大学フィールド科学教育研究センター北海道研究林白糠区(受付会場、白糠町西2条北8-1-10)
      • 駐車場あり、白糠駅への送迎あり
  • 定員
    • 10名(応募多数の場合は抽選)
  • 参加費
    • 無料
  • 持ち物
    • 山歩きのできる(汚れてもいい)服装、歩きやすい靴、雨具、昼食、(適宜)虫よけ等(アブが発生している時期です。)
  • 申込方法
    • 参加希望者全員の住所、氏名、生年月日、連絡先を明記し、はがき、もしくはメールにてお申し込みください。メールの件名は「自然観察会白糠申し込み」としてください。小学生以下のご参加は保護者同伴でお申し込みください。
  • 申込締切
    • 7月13日必着。抽選結果は7月16日までに郵送、もしくはメールにてお知らせします。
  • 申込先
    • (郵送)〒088-2339 北海道川上郡標茶町多和553 京都大学フィールド科学教育研究センター北海道研究林
    • (メール)hokuken(@マーク)mail2.adm.kyoto-u.ac.jp
  • 問い合わせ先
    • (電話)015-485-2637
    • (メール)hokuken(@マーク)mail2.adm.kyoto-u.ac.jp

当日はイベント保険(死亡共済金額500万円、部位・症状別治療共済金額5千円)に加入しますが、保険の範囲を超える補償はできない場合があります。参加される際は、マスクの着用等感染拡大の防止にご理解、ご協力をお願いします。個人情報は当イベント運営のみに使用します。

秋には標茶区でも自然観察会を開催予定です。