

雪が解け、春が来ました。
軽やかなせせらぎの音に誘われるようにフクジュソウも咲き、茶色っぽかった風景に彩りが増えてきました。
水たまりではエゾアカガエルの大合唱です。
渓流水のサンプリングの際に変わった形の氷柱を見かけました。
水面ぎりぎりにできた釣鐘状の氷柱です。
雪が解けてできた氷柱が下に伸びることができない代わりに、波によって下から水が供給され続けてこのような形になったと思われます。
上から水が供給される通常の氷柱は上の方が太くなるのと逆といったところでしょうか。
寒さが厳しかった時期には雪も解けず氷柱もできません。
沢もほぼ結氷していましたが、暖気を伴った爆弾低気圧で雨も降り雪も氷も一気に解けてきました。
水のせせらぎに混ざって春を告げる鐘の音が聞こえてくるようです。
ついに標茶も雪景色となりました。
霧氷の欠片が音もなく降り、太陽の光に煌めく様子は神々しくもあり、
厳しさだけではない冬の森の一面を見せてくれました。
最低気温:-15.0℃、積雪:2cm
標茶の事務所から自動車で片道2時間かかる白糠のサイトで定期的にリター(森に落ちる葉や枝、種など)のサンプリングをしています。
15年以上続く調査で森林の物質循環を調べているものです。
秋が深まった今回は落ち葉も大量でしたが、紅葉も美しく日の射す瞬間には息をのむような光景も見られました。
(息をのむような急傾斜もあり、サンプルの袋を谷底に転がしたことも)
【標茶】昨年度購入したドローンで、高度約120メートルから構内を撮影してみました。青葉が茂る良い季節です。
ドローンならではのきれいな景色を撮影したり、花期の樹冠の様子を観察したり、様々な業務に応用したり、と夢は膨らみますが、まずは早く操縦に慣れないとだめですね。
年明けから、気温マイナス10度を下回り、時にはマイナス20度近くにもなる朝が続いています。厳しい気候ですが、澄んだ空気と霧氷のきらめきは、ほんの一瞬ですが寒さを忘れるほどにきれいです。
【標茶】抜けるような青空とカラマツの黄葉がきれいです。林内に入って、広角レンズ+PLフィルターを用いて撮影しました。この葉が全て散れば、標茶は本格的な冬へと向かっていきます。
【白糠】 林内にはまだ雪が残りますが、フキノトウは春の訪れを察知したようです。
日だまりにはフクジュソウも咲いてました。
【白糠】「1林班の谷には滝がある」
伝え聞いてはいたものの見たことのなかった滝を探しに行きました。
凍って歩きやすい・・・ということもなく、スノーシューをしてもズボズボとはまりながら谷を遡行すること数十分(意外と近い)。それっぽいところに到着するも、見えるのは雪の壁とちっちゃな滝つぼ。
その姿はイメージにあった氷結した滝とは違ったものでしたが、研究林の新たな姿を見ることができたという小さな達成感を抱いて、帰路につきました。