
標茶区構内はまだ雪に覆われているのですが、3月8日、日当たりの良いの木の根元にフクジュソウ(Adonis ramosa)が咲いているのを見つけました。
標茶区構内はまだ雪に覆われているのですが、3月8日、日当たりの良いの木の根元にフクジュソウ(Adonis ramosa)が咲いているのを見つけました。
霧雨に濡れるイケマの花です。
ネギボウズのような放射状についた花が特徴的です。
キョウチクトウ科のツル性植物で、林道際など明るい場所でよく見られます。太い根茎からアイヌ語の「イ・ケマ(それ(=神)の足)」に由来する名称のようです。全草に毒がありアイヌ文化では根を乾燥させたものを薬や魔除けに用いました。人以外にその毒性を使っているのが旅する蝶として有名なアサギマダラです。幼虫の食草となり、毒を体内に取り入れることで外敵から身を守っていると言われています。
6/16(日)標茶区で初夏の花観察会を開催し、13人にご参加いただきました。
2022年に標茶区で行った北海道フラワーソン(全道開花調査)と同様に調査し、研究林の林道や沢沿いで、85種(開花74種)の植物を確認しました。
午後は開花している植物を1人1種採取し、事務所へ戻り標本を作成していただきました。朝は小雨が降っていましたが、天気は回復し、昼休みには子ぎつねが2匹姿を見せてくれました。
参加者からは、「はこべ、むぐら類などたくさんの種類の判別が興味深かった」「同じような花でも、色々な種があり難しかったが楽しかった」「ハコベなど区別のつきにくい花を覚えるのは難しい」などの感想をいただきました。
観察会で発見した花(抜粋)はこちら
(ミヤマザクラは果実)
林道巡視で白糠区の山へ久々に入りました。
今年は木の花が目立ちます。様々な木が開花・結実している様子が見られました。この秋は実りの秋となるのでしょうか。
林道をゆっくり走りながら安全を確認し、被り枝や落枝(時にはエゾシカの角も)の除去をするという地味めな仕事なのですが、標茶ではあまり見られない樹種も多く、初夏の明るい森の中、開花の記録写真もとりつつ新鮮な気持ちで楽しく作業できました。
木に気を取られすぎによる脇見注意(自戒)。
昨年も投稿した(2023/6/19投稿ササの花)のですが、今年も標茶区林内にてセンダイザサ(オオクマザサ)と思われるササの花が開花しているのを確認しました。白糠の林内でも開花が見られるようです。
昨年は数株のみの確認だったのですが、今年は異なる場所でパッチ上に開花株が広がっている様子で、昨年よりも規模は大きいように感じます。
昨年、北海道内では道北、道央を中心にクマイザサが一斉に開花したとニュースにもなっていましたが、こちらのササはどのような開花のパターンで、開花後はどうなるのか、興味は尽きません。
研究用渓流水サンプルの採取中、エゾイラクサやミミコウモリなどの草に埋もれるようにノビネチドリが咲いているのを見つけました。綺麗に咲いている姿に出会えてラッキーでした。
見かけた場所はエゾシカの痕跡がたくさんある場所で、踏みつぶされたような跡の株もあり、安泰というわけにはいかないようです。今のところ積極的に保護をしているわけではないのですが、また会えるのを密かに願っています。
研究林内に見慣れぬピンク色のエンレイソウが咲いていました。
標茶区ではオオバナノエンレイソウ(Trillium camschatcense)が群生しているのがよく見られますが
以上の特徴からミヤマエンレイソウ(Trillium tschonoskii)でないかと判断しました。別名シロバナエンレイソウなのですが、この個体がその名の通り白い花弁だったらきっと見落としていたと思います。
標茶区構内でニリンソウが花盛りです。
某コミックによると「肉のうま味を何倍にもする山菜」とのこと。ただ、トリカブトとの誤食がしばしば報告されていますので、もし試してみたいと思っても、花がついているものを選ぶようにしましょう。また、マダニも出ているので這いつくばって写真を撮るときもご注意ください。
標茶区構内でコミヤマカタバミが咲いていました。
コミヤマカタバミは夜間や雨の日に花や葉がたたまれるという特徴があります。
1枚目は曇りの日の昼過ぎに撮影。花も葉も閉じています。
2枚目は晴れの日の昼間に撮影。木々の下で日が当たりにくいからか、花は結構開いていましたが、葉はだいぶ閉じています。
3枚目は晴れの日の朝に撮影。横から光が入るためか、花・葉ともに開いています。
葉はハート形。開いていても閉じていてもかわいいです。
構内のエゾムラサキツツジとキタコブシが満開を迎えました。
今年は特にキタコブシの花付きがよく、木全体がふわっと白く浮かび上がるような姿を見せてくれました。
どの個体も総じて良く咲いているので、環境要因、例えば昨年の高温が影響しているのでしょうか。
野生の樹木の種子には年によって生産量が大きく異なる現象(結実豊凶)が見られます。北海道研究林でも標茶区、白糠区の天然林にリタートラップを設置して、継続したモニタリングを実施しています。