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フクジュソウ

標茶区構内はまだ雪に覆われているのですが、3月8日、日当たりの良いの木の根元にフクジュソウ(Adonis ramosa)が咲いているのを見つけました。

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フィールド 実習

研究林実習Ⅳ‐冬の北海道 2024

2/20-2/26の日程で、標茶区にて京都大学の研究林実習Ⅳが実施されました。農学部3回生を中心に21名が参加しました。

2/21は林内での樹木識別、構内でのくくりわなの設置を行いました。
樹木識別では、スノーシューで標茶区の林内を歩いて様々な種類の樹木の枝を集めました。冬芽や樹形、樹皮などの特徴から樹種同定する練習をしました。また、足跡や食痕、フンなどから動物を種類や生態を観察するアニマルトラッキングを並行して行いました。林内で多く目立つのはやはりシカの痕跡で、それ以外ではキツネやリスなどの痕跡が見られました。
くくり罠の設置では、アニマルトラッキングの知識を基にシカの痕跡を確認し、学生たちが各々シカがどういった場所に来そうか考えた場所に有資格者によって罠が設置されました。

2/22は標茶区で毎木調査・積雪調査を行いました。
スノーシューを装着し、落葉した天然林で樹種判別と胸高直径の測定を行いました。
昼食後は積雪調査です。積雪の断面を作成し、層ごとの雪質の違いや深さによる雪温の違いなどを観察しました。

2/23は罠の巡回とキノコの植菌とスキー合わせを行いました。
罠はこの日に回収予定でしたが、捕獲できず強い希望によりもう一日延長することとなりました。
植菌では研究林産ミズナラ・アカエゾマツのほだ木にシイタケとナメコの菌を打ちました。後輩の実習ではたくさん収穫できるでしょうか。
スキー合わせでは山スキーの調整・足慣らしを行い、翌日に予定している林内観察に備えました。

2/24はくくり罠の見回り・回収と、山スキーでの林内観察を行いました。
今回の実習では延長分を含めて罠での捕獲には至りませんでしたが、ある班では自動撮影カメラや足跡等から設置方法を様々な角度から検証し反省をされていました。

林内観察ではスキーに少し雪が張り付くやや暖かい気候でしたが、その分ゆっくりと樹木や動物の足跡などを観察しながらコースを1周しました。
コースの最後にバイアスロン形式の樹木識別テストが実施されました。満点が取れたとの声もあり実習の成果が伺えました。

2/25は浜中町にある丸善木材株式会社の製材工場と、釧路市にある株式会社北都のトドマツ精油プラントの見学を行いました。
川中以降での木材の取り扱いや建材以外の用途について学ぶ機会となりました。

余暇で雪像やかまくらを作る学生さんもおられました。実習で学びつつ冬の道東でよい体験ができたのではないでしょうか。

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ドカ雪

小雪傾向のまま立春を迎え、このまま冬が終わるかと思っていたらドカ雪が降りました。

ほとんど雪がなかった十勝地方では1日で1mを超える記録的な積雪となったそうですが、北海道研究林も標茶区は24cmから64cm、白糠区は8cmから一気に107cmの積雪となりました。

湿気を含んだ重たい雪で、朝から重機が大活躍しています。着雪による造林木への被害も心配です。

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フィールド

凍ったヤチボウズの間をうろうろと

最後に残しておいた固定標準地調査サイト、湿性林の調査を行いました。

冬以外はぬかるみで歩きにくいため、凍り付くのを待って決行しました。ここ数日よく晴れて氷点下10度を下回る日が続いていたので、足元のコンディションはまずまず。その分気温は低く、谷底で日当たりも悪く、時折雪がちらつき寒さは厳しかったです。

途中、地上1m程度のホザキシモツケの藪の中に鳥の巣を見かけました。鳥は種ごとに異なる巣を作るのですが、主がいないと何の鳥が作ったものか分からないことも多いです。この巣から旅立った雛たちは今頃大きくなって、どこか遠くで羽ばたいているのかもしれません。

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人工林に残された古の巨木

秋も深まってきた今日この頃、固定標準地調査を進めています。固定標準地調査ではプロット内の樹木の直径と樹高を測定し、森の蓄積などを算出します。

トドマツ人工林の調査中、林内に残された風格のある古い株に出会いました。すっかり中は朽ちて(一部焼け焦げて)なくなっていましたが、胸高直径1mを超えるミズナラであったと思われます。ここが造林地になる前、演習林になる前、さらには軍馬補充部になる遥か前からこの地を見守ってきたかと思うと畏敬の念を覚えます。

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木ノ上ニ居リマス

エゾシカのライトセンサス中に、エゾクロテンを目撃しました。
林内に仕掛けたセンサーカメラにはよく写っていますが、実際に出会うことは稀です。

低い枝の上に1分ほど留まった後、幹を駆け上がっていきました。

 

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紫金山・アトラス彗星

10月16日17時39分、紫金山・アトラス彗星が標茶区からも観測できました。

肉眼では何となくぼんやり尾が見える程度でしたが、コンパクトデジタルカメラの15秒露光でもはっきり尾まで写りました。左下の明るい光は金星です。家族にも指さして伝えようとするもなかなか伝わらずもどかしかったのですが、最終的には見つけてくれて安堵しました。

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令和6年度北海道東北地区大学演習林等技術職員研修

10月8日から10日にかけて全国にある大学演習林の技術職員を対象とした研修を標茶区と知床で開催しました。研修には北海道大学から3名、東京大学から2名、東京農業大学から1名が参加し、野生動物と人とのかかわりについて最前線で活動している方から話を聞くなどして知見を広げました。

知床では開拓跡地の森林再生やヒグマの管理に携わる知床財団の職員の方と、自然ガイドを行っている方から、世界有数の密度で生息していると言われるヒグマとの付き合い方、エゾシカ個体数の管理や防除の方法、自然の変化などについて解説を受けました。

標茶区では北海道研究林の概要紹介の後、植栽地や試験地などを現地視察し、各大学との違いや改善点など活発に意見交換しました。

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フィールド 実習

北海道教育大学 山岳生態学実習

9月26日から27日の2日間、北海道教育大学の山岳生態学実習が行われ学生5名が参加しました。

26日から27日の午前にかけて同一支流の3か所で魚類調査を行いました。上流側では水量が少なく網を入れれば容易に採取できていましたが、水量が多く川縁の形も複雑になる中流域以降では網の入れ方や追い込み方を工夫しながら調査を行っていました。

27日の午後からは室内で調査によって得られたデータを解析する手法や解析結果をどのような基準で評価するのかなどの講義を受け、実際のデータを用いて作業を行いました。
講義でも意識するよう強調されていましたが、実習での経験が今後自身でされる研究調査計画の一助になれば幸いです。

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フィールド 実習

北海道大学 生物学実習

9月19日から20日の2日間、北海道大学の生物学実習が行われ学生22名が参加しました。

実習では草本・きのこの観察を行いました。19日来研後すぐ林内に入り、針葉樹 (トドマツ) 人工林を中心に標本作製に適したサンプル選定や採取方法、同定作業の助けとなる採取場所の情報を確認しながらサンプル採取を日が傾くまで行いました。

林内から戻ってから顕微鏡での観察や複数の図鑑から得られた情報で同定作業を、標本を作製する際の注意点を確認しながら標本作製作業をきのこ・草本それぞれで並行して行いました。多くのサンプルを採取したため19日だけでは作業が終わらず、20日の予定を変更して同定・標本作製作業を続けました。

受講生は最初こそ目立つものを恐る恐る採取していましたが、ササ藪の隙間から小さなきのこを見つけ出したり、香りであの草本があるはずと逆算したりと堂に入った作業をするようになっていったことが印象的でした。