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2024実習 学生実習

公開森林実習III −森林・里山の生態系サービスを学ぶ−(2024年度第1回)

2024年10月5日に他大学学生を対象とした、第1回目の公開森林実習Ⅲが行われました。この実習は今年度で5年目になり、これから新たな里山を作り上げて、維持管理していくために必要な作業について、実習計画を自ら立案できるノウハウを修得するとともに、計画の実施を自らの責任で行う能力を醸成することを目標にしてます。今年度は学部や学科の異なる5名の学生が参加しました。午前は、舘野隆之輔教員によるガイダンス及び試験地概要が行われた後、教職員および学生の自己紹介が行われました。その後、張曼青教員の進行のもと実習で実施するプログラム案を各自出し合いました。午前最後は、ラクウショウの気根やガラス室の育苗、林産物生産現場、標本館の見学を行いました。午後は林道沿いに見られる試験地の自生種を中心に樹木識別を行いながら、炭窯を見学して製炭方法や製炭用材の重量計測の概要が解説されました。最後は里山整備をするための実習エリアを見学し、これからの管理方法や方向性の議論を行いました。この実習は10月5日から12月14までの間に、計5日間の日程で実施予定です。当日は、実習補助及び安全管理、記録のため長谷川敦史技術職員が同行しました。

text/長谷川 敦史

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2024イベント イベント

里山おーぷんらぼ(2024年度 第5回)

9月14日(土)に里山おーぷんらぼが開催されました。今回は京都芸大の豊島先生による指導で、様々な材料を使用した草木染体験を行いました。試験地内の苗畑エリアで栽培したコブナグサやマリーゴールドを収穫したほか、比較材料として中国原産のスオウ(蘇芳・購入品)を材料として用いました。それぞれの材料を鍋で煮出し、布を浸して染織し、コブナグサとマリーゴールドは黄色系に、スオウは赤紫系に染まりました。さらに今回は染織した布を様々な種類の媒染液に浸し、それぞれの仕上がりの違いを比較しました。
つづいて、収穫したタデアイの葉をミキサーで砕いた液で染める「生葉染め」を行いました。コブナグサで染めた黄色の布に施すと、タデアイの青色と交わって、きれいな緑色に発色しました。
そのほか、型枠を使用した「型染め」を行いました。コブナグサやスオウで染めた布に、模様や生き物などのシルエットをモチーフにした型枠をあてがい、様々な色の顔料を塗りつけると美しい模様やきれいな発色が表現できました。
今回は、媒染液の違いによりその後の発色が大きく変わることに驚きました。特に試験地内で採取したクロバイやヤブツバキの灰から作った媒染液からもきれいな発色が見られ、里山活動においては普段は注目されないこれらの材料も有用な媒染剤として活用できることは新たな発見となりました。当日は、安全管理及び記録のため大橋健太技術職員が同行しました。

本活動についての詳しい内容はこちら

文:大橋健太

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ILASセミナー 京都の文化を支える森林:地域の智恵と生態学的知見

9月11日、「ILASセミナー京都の文化を支える森林:地域の智恵と生態学的知見」が行われ、9人の学生が参加しました。この実習は、近畿地方の奥山・里山において、森林生態系の特徴と課題、森と人の関わりを理解することを目的とし、上賀茂試験地では里山に関する内容を学びます。初めに石原正恵教員による実習全体のガイダンスと上賀茂試験地の概要説明、大橋健太技術職員による野外活動時の安全ガイダンスが行われました。その後、林内散策では続けて大橋健太技術職員による里山の樹木観察が行われ、マツ枯れ、ナラ枯れ、シカによる食害の影響や、樹木の様々な用途などの解説がありました。樹木観察の途中には紺野絡技術職員による炭窯と炭焼きに関する説明も行われました。最後に、チェーンソー体験のためのチェーンソーの安全な使用に関する解説が荒井亮技術職員により行われ、学生は防護装備を身に着けて丸太の玉切りを体験しました。岸本泰典技術職員が記録及び作業補助にあたりました。チェーンソーの音と振動に緊張しながらも全員が玉切りを終えて、上賀茂での行程は終了し、次のフィールドである芦生へ移動となりました。

文:岸本 泰典

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2024公開森林実習Ⅰ

9月4日、公開森林実習Ⅰが行われ、全国各地の大学から9人の参加者が集まりました。この実習は、上賀茂試験地・芦生研究林・北白川試験地の3施設を巡り、京都における森林の歴史や現在の状況(ナラ枯れ・マツ枯れ・シカによる食害)を学習し、森林をめぐる環境問題に対し、科学的な知識や研究手法を習得することを目的としています。最初に石原正恵教員、坂野上なお教員、張曼青教員によるガイダンス、概要説明、里山おーぷんらぼの紹介がそれぞれ行われました。続いて、大橋健太技術職員による野外活動時の安全ガイダンスの後、林内を散策しながら里山の樹木の観察が行われました。学生たちは実物を見ながらの樹木の解説を熱心に聞いていました。樹木観察の途中には紺野絡技術職員による炭窯と炭焼きに関する説明も行われました。林内散策を終えた最後に、荒井亮技術職員によるチェーンソーの安全な使用に関する解説が行われ、学生も防護装備を身に着けて丸太の玉切りを体験しました。岸本泰典技術職員が記録及び作業補助にあたりました。
全員が玉切り体験を終えたところで上賀茂での行程は終了し、次のフィールドである芦生へ移動となりました。

こちらの報告もご覧ください。公開森林実習Ⅰ

文:岸本 泰典

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奥山里山管理実習(人間環境大学環境科学部フィールド生態学科1・2年生)(2024年度)

8月21日に人間環境大学の「奥山里山管理実習」が行われ、17人の学生が受講しました。この実習は近畿地方の奥山・里山における森林生態系の特徴と課題、森と人の関わりを理解することを目的とし、3日間かけて上賀茂試験地、芦生研究林、北白川試験地などを訪れ、それぞれの地域での植生の違いや人との関わりについて学びます。その初日に当たる上賀茂試験地では、里山地域に関わる内容の実習が行われました。
はじめに松岡俊将教員によるガイダンスと森林生態に関する講義、張曼青教員による上賀茂試験地の概要説明と里山らぼ活動の紹介が行われ、続いて大橋健太技術職員による安全教育の後、林内を散策しました。里山林の自然観察を行いながら炭焼き窯に移動し、紺野絡技術職員による炭窯の構造や炭焼きの方法に関する説明が行われました。その後、里山らぼ活動で植樹をした場所で下刈作業体験を行い、手鎌や剪定ばさみを使って苗木の成長に支障となる雑草類を除去しました。作業後は荒井亮技術職員によるチェーンソーを用いた丸太切りのデモンストレーションを見学し、上賀茂試験地でのメニューを終了しました。本実習では上記職員に加え、岸本泰典技術職員が記録や安全管理のため同行しました。

文責:大橋健太