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マツ枯れ防止樹幹注入剤施工

3月10日にマツ枯れ防止のための樹幹注入剤を施工しました。樹幹注入は、夏季の薬剤散布と同様に重要な業務で、薬剤散布が不可能な高木のマツや、散布機械が侵入できない場所に生育するマツにも施工可能です。今年度は、例年使用しているマツガードに加えて、新たにマッケンジーという注入剤を導入しました。
マツガードは、マツの幹の太さを基準に施工本数を決め、ドリルで幹を穿孔して薬剤入りのボトルごとその孔に差し込みます。稀に薬害が生じる可能性があるため、施工高さや穿孔角度には十分配慮して実施しています。注入後は、木栓で孔を塞いでいます。

マッケンジーは水溶性の薬剤のため、薬害が出にくく、施工適期が広いことが特徴です。施工方法はマツガードと同様ですが、より小さい孔径にしたり、穿孔深度を浅くできます。施工後は孔を癒合剤で塞ぎました。マッケンジーはゴヨウマツ類への施工も可能であり、試験地で長年懸案であったゴヨウマツ類へのマツ枯れ対策も進めることができます。今後は、これらの薬剤を併用していく予定です。

text/長谷川敦史

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マツの接木

3月3日に外国産マツを中心に接木を行いました。試験地に生育する希少種を繁殖する目的で毎年行っています。マツ類は発芽期が早く、2月下旬から3月上旬ころが接木の適期とされています。接木とは、台木と接穂を癒合させる技法で、互いの形成層を接着させることでカルス形成を促し、相互組織を癒合させ、接穂と同種の植物体を作り出すことができます。互いの接着技術と乾燥防止が求められますが、成功したものは育成して、将来的には見本樹として植栽していきたいと考えています。今年度は接木の直前に穂木採取を行いましたが、穂木を採取した後、低温で一定期間貯蔵したり、接穂の長さを変えたりすることで、活着率を比較することも可能になります。 ※安全には十分配慮して行っています。

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マツ枯被害木の伐採

2月24日にマツ枯れ被害木の伐採業務を行いました。上賀茂試験地には、日本産マツ属のほかに、外国産マツ属も生育しており、これらの多くはマツノザイセンチュウによる伝染病に感染して枯死することがあります。試験地では、毎年数十本以上のマツが枯死し、その一部を技術職員が伐採しています。枯死木は、幹腐れや空洞になっていることがあり、それらを安全に伐倒するための技術を身につけ、技術力の向上を図っています。

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高所作業車による剪定作業

2月15から18日まで高所作業車をレンタルして、境界付近に植栽されている樹木や建物の上に張り出している枝などを中心に、それらを切り詰める作業を行いました。落葉時期であったため、作業性は比較的よかった半面、常時高所での作業や操作が必要なため、十分に慎重を期して行いました。一部の樹木では、枝幹の切り詰めを強度に行ったために、冬芽枝をすべて切除することになりましたが、今春には潜伏芽から勢いのある枝葉を展開してくれることを期待しています。

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百葉箱更新!

当試験地では、気温や湿度などの気象観測を行っており、百葉箱内にもデジタル気温計を設置し、常時観測をしています。この百葉箱(以下、旧型という)は、設置後30年以上経過しており、随所に劣化が見られたため、2月9日に更新作業を行いました。旧型は両屋根・扉タイプの60型でしたが、新型百葉箱(以下、新型という)は方屋根タイプの45型と一回り小さくしました。脚部はステンレス製で、補強用ロッドをたすき掛け状に固定し、アンカーで地面と固定しました。その上に、百葉箱を扉を北向きにして載せ、脚部と固定して完成です。