カテゴリー
2023実習 学生実習

森林植物学実習1回目(京都府立大学生命環境学部森林科学科2回生)

令和5年6月5日に京都府立大学の森林植物学実習が行われました。この実習は生命環境学部森林科学科2回生を対象に、京都市近郊の山林に出かけ、実際に生えている樹木の特徴を観察することにより名前の識別ができることを目的としています。毎年上賀茂試験地でも実施されており、当日は約40名の学生が受講しました。平山貴美子教員の解説により、構内の樹木園の観察を行った後、林道沿いの天然林に生えている約30種の樹木について、見分け方のポイントや特徴の解説を学びながら散策しました。散策後は25種の葉のサンプルを用いて識別テストが行われました。当日は、記録及び安全管理、実習補助として大橋技術職員が同行しました。
2回目の実習はこちら

文:大橋健太

カテゴリー
2023実習 学生実習

自然環境演習(京都精華大学人間環境デザインプログラム1回生)

6月3日(土)に京都精華大学人間環境デザインプログラム1回生を対象に、第二回目の自然環境演習が実施されました。今回はフォトグラメトリについて学び、写真や動画を利用した3Dモデルの作成体験が行われました。今回の実習内容は昨年建築基礎実習として行われましたが、今年より自然環境演習の一環で実施されています。
 午前10時より実習が始まり、京都精華大学のAndrea Urushima教員から実習の概要説明が行われました。その後、大阪産業大学の赤石大輔教員による講義が行われ、これまでに上賀茂試験地などで作成された3Dモデルの紹介などが行われました。次に、京都精華大学のAtticus Sims教員による講義が行われ、京都の伝統や文化を保存するために作成した3Dモデルについて紹介がありました。
フォトグラメトリについて学んだ後は、スマートフォン用アプリのLuma AIを利用して、学生それぞれが選んだ対象の動画撮影を行い、3Dモデルの作成を行いました。最後に作成した3Dモデルについて解説があり、午後0時半ごろに実習を終了しました。
昨年の実習ではAgisoft Metashapeを利用していましたが、3Dモデルの生成については、AIの発展により毎年のように新しいソフトウェアが開発されているそうです。この分野は常に新しい情報を収集していくことが大事であるとのことでした。当日は荒井技術職員が記録および実習補助にあたりました。
2回目の自然環境演習はこちら

文/荒井 亮

カテゴリー
2023実習 学生実習

2023年合同ILASセミナー

5月20日にILASセミナーが行われました。今回は「北海道のきのこの多様性と生き方」「芦生研究林の菌類多様性に触れよう」「里山の物質循環 ―燃料・肥料・食料から考える ―」の3テーマが合同開催されました。午前中は、はじめに舘野教員から上賀茂試験地の概要説明が行われ、続いて松岡教員からきのこの講義が行われました。講義終了後にシイタケ圃場の見学、資料館の見学、シイタケ駒うち体験、薪割り体験を行いました。駒うちや薪割りは普段体験できない事だったからなのか、受講生は楽しみながら取り組んでいました。午後からは林内を散策しながら樹木やきのこの識別を行いました。見つけたきのこは採取して最後にみんなで同定を行い終了しました。安全管理及び記録・薪割り・駒うち指導のために西岡技術職員が同行しました。

文:西岡裕平

カテゴリー
2023実習 学生実習

森林基礎科学実習Ⅰ

森林科学科2回生を対象に、樹木の葉や枝の特徴を把握し識別方法を学ぶ実習が4月18日と5月9日の2回に分けて行われました。識別は林道を歩きながら葉や樹形・樹冠を観察し、2時間ほどの道のりの中で、約25種の樹木について山崎教員の解説を聞きながら、受講者は樹木の特徴を写真で収めたりメモを走らせたり、それぞれの方法で記録していました。観察終了後には識別テストが行われ、各自取ったメモを参照しながらテストに挑戦しました。4月18日は大橋技術職員が、5月9日は西岡技術職員が、それぞれ授業の安全管理及び記録、技術補助に当たりました。

文:西岡裕平

カテゴリー
2023実習 学生実習

森林に対する環境意識(放送大学面接授業)

 2023年5月20、21日に、吉岡崇仁教員による放送大学京都学習センター面接授業「森林に対する環境意識」が行われました。この授業は専門科目(自然と環境)として開講され、9名の受講者が参加しました。試験地の植物・林相観察を通して、人間と植物・森林との関わりについて考え、環境に対して人間が抱く「環境意識」について考察すること、環境哲学や環境倫理学、さらには環境経済学にも触れながら、その意識のもとで森林の価値を判断していることを体系的に把握することを目的にしています。
 初日は、試験地に自生している一般的な1 0種類の樹木の枝葉サンプルを用いて、葉の形状や枝への付き方等の見分けるためのポイントを習得する樹種同定を行いました。その後、試験地の紹介を兼ねた講義「森林の成立条件」が行われ、温量(暖かさの)指数および降水量の関係から、どのような森林が成立し得るかを学び前半が終了しました。後半は、歩きながら自生している樹木個体を観察し、識別のスキルアップを目指しました。野外実習の後は講義が行われ、環境の価値を考えるうえで、個人の価値観と環境への意識が重要であり、様々な価値判断がなされることなどが解説されました。さらに環境経済学や環境倫理学の観点から環境の価値を考えるための理論や方法を学びました。

 二日目は、まず一日目の樹木実習の復習も兼ねて、受講生より、いくつかの樹種で作成した死環(葉に熱を加えると、葉の細胞が破壊されるが、酵素の活性が維持されている部分では、細胞内のタンニンと空気中の酸素とがこの酵素により反応し、黒色に変化する現象)が紹介されました。その後は事務所から樹木観察をしながら、炭焼き窯や公開森林実習Ⅲ等で活用している里山実習地を見学しました。散策後は、講義「環境意識調査法について」が行われ、数値化できない環境意識の計り方に関して、一般人を対象にした社会調査事例をもとに紹介されました。フィールド科学教育研究センター(フィールド研)が実施した「木文化プロジェクト」の成果からは、国産材や間伐材に対するイメージ、住宅用木材に国産材を使用する際に支払うことができる価格が、居住環境等の属性が異なる回答者によってバリエーションを持つことなどが説明されました。フィールド研のメインテーマである森里海連環学を進めるうえで、環境意識が重要なファクターでもあることなどが説明され、最後にディスカッションとまとめが行われました。両日とも長谷川技術職員が実習の安全管理及び記録、サポートを行いました。

record and text/長谷川 敦史