芦生研究林基金について

豊かな森を守り、
さらに先進的な研究・教育を展開するために。

 かつて著名な植物学者により、

「植物を学ぶ者は一度は京大の芦生演習林を見るべし」

と評された京都大学芦生研究林は、原生的な自然が残る貴重な森です。
今後も多様な生き物がつくる豊かな生態系を守り、先進的かつ質の高い教育・研究を持続的に提供していくことが私たちの使命です。

 しかし、現在さまざまな問題を抱えています。

 こちらのページでは、芦生研究林がどのようなところで、どういう問題を抱えているため基金を設立することになったか、順を追って説明しています。最後までお読みいただければ、芦生研究林基金についてご理解いただけるものとなっています。

芦生研究林が抱える問題

1)設立から1世紀

 芦生研究林が大正10年(1921年)に設立されてから、一世紀が経過致しました。日本じゅうで原生林が伐採され貴重な自然が失われてきた近年、芦生の森が守られてきたのは、京都大学が責任をもって継続的に管理してきたからです。

 しかし、芦生研究林は重大な転機を迎えています。事務所棟など歴史ある建築物は価値のあるものですが、施設の老朽化の問題は年々深刻さを増し、日々の研究にも支障が出はじめています。

 また、月日が経つなかで、大学に求められている役割は変化していきます。地球温暖化の影響、生物多様性の保全など、100年前には認識されていなかった問題に、私たちは直面しています。いまある設備では、現代の科学の発展に貢献するには不十分です。芦生の森は、新しい学問・新しい課題にチャレンジするための、先進的な設備を必要としています。

2)広大な森の維持

 芦生研究林の面積は約4,200ha。京都・平安京をすっぽり飲み込むほどの大きさです。この広大な森を大学の教育や研究に活用するには、アクセスの確保が重要です。現在、総延長約37kmの林道、約7kmの森林軌道、約160kmの歩道が存在しています。

 このようなアクセス確保により、教育・研究だけでなく、原生林の保全活動を実施したり、不法侵入や希少な植物の盗採を監視したりすることも可能になります。ガイドツアーなどで芦生の森に親しむ観光客にも活用されています。

 しかし、アクセスの維持は困難です。森が広大であることに加えて、豪雪地帯であるため、春先の雪かきや整備はたいへんです。夏に大雨がふればあちこちが痛み、補修が必要になります。すべての補修に手が回っているとはいえず、数年前に発生したがけ崩れからの森林軌道の回復のめどは立っていません。

3)シカによる食害

 ニホンジカは、昔から日本の生態系のバランスのなかで暮らしていました。ところが、近年になって生態系のバランスが変わり、シカが増えすぎて、各地で問題を引き起こすようになってきました。その原因として、明治時代にオオカミを絶滅させてしまったことや、猟師の高齢化、温暖化により積雪が減少しエサを見つけやすくなったことなどが挙げられています。

 芦生研究林では、20年ほど前からシカの影響が大きくなってきました。うっそうとしていた森の下草はシカに食べ尽くされ、地表がむき出しになっている場所も多くあります。生物の多様性は低下し、絶滅危惧種や希少種の減少が危惧されています。

4)大学予算の縮小と借地

 芦生研究林は、地域からお借りしている土地です。
 1921(大正10)年から99年間の契約で地上権が設定され、京都大学が利用・管理してきました。
 そして2020年4月に新たに30年契約を結びました。
 しかし、芦生研究林へ配分される基礎予算は削減され続けています。

ご寄付の使い道

1)森の生き物と森の働きを守ります


 歩道や林道を整備して、研究者やガイドツアー参加者による踏み荒らしなどの被害を抑制します。さらには、希少植物の調査と保護、シカよけの柵のメンテナンスなどを実施します。

 広大な研究林の整備に用いられる重機などのコンディションを良好に保ち、大雪や台風などの被害からすみやかに回復できるようにします。

2)芦生研究林の設備を充実させます


 これまで不足していた実験設備を導入し、最先端の研究に適した施設へ更新していきます。また、学生や研究者が快適に過ごせる宿泊設備を整え、これまで以上に多くの学術利用を受け入れます。

 このように大学施設としての成果をあげることが、施設が存続すべき根拠になります。

 これまでに以下のような目的でご寄付を使わせて頂きました。

3)多様な研究を推進します

 これまで芦生研究林の利用は理系研究者によるものが大部分でしたが、本来森林は、自然科学だけでなく、民俗学・文学・芸術といった人文科学、林業やエコツーリズムなどの産業面では社会科学とも関係します。
今後はこのような文系の研究も促進し、新たな知を切り開いていきたいと考えています。

 そのため、若手研究者を支援・育成することを目的とした公募研究を開設いたしました。当研究林を利用した幅広い研究を促進いたします。

ご寄付はこちらから

 芦生研究林基金へのご寄付はこちらより行えます。
(京都大学基金のページへ移動します)

 *京都大学へのご寄付に対しましては、法人税法、所得税法による税制上の優遇措置が受けられます。
 詳しくは京都大学基金のページをご覧ください。