資料館「斧蛇館(おのじゃかん)」

なりたち

資料館「斧蛇館 (おのじゃかん)」の建物は、1975年に柱や板などの製品の倉庫(名称「木炭倉庫」)として建てられました。1992年に、学生や研究者、さらに一般の皆様へ、大学の活動や芦生の森を知っていただくため、資料館として改修・開館しました。さらに、2020年に芦生研究林基金へのご寄付によりリニューアルを行うことが決まり、2024年にリニューアルオープンしました。

リニューアルについて

2024年のリニューアルでは、多様な人が集い・学ぶ場をつくることを目指して、大学関係者や研究者だけではなく地元の方やツアーガイドをはじめ、芦生研究林に関わる様々な方にご意見を頂きました。そして科学の言葉だけではなく、芸術との融合も試みました。展示ではまず、芦生研究林で行われてきている様々な研究成果や取り組み、芦生研究林の歴史を紹介するパネルを作成しました。そして入り口には、シカ食害が目立たなかった植生が豊かであった芦生の姿を描いた絵画(四季絵巻のレプリカ)を展示しました。圧倒的なスケールで描かれた豊かな芦生の森の姿は、見る人の心に訴えかけるものがあると信じています。こちらをご覧ください。

展示について

芦生の森は自然と人が相互に関わり合うことでかたち作られてきました。斧蛇館は、森に入るだけでは得られない自然の仕組みや人との関わりを紐解く場として、以下のような展示を行っています。
・芦生研究林で行われた研究成果の紹介パネル
・芦生の歴史(旧演習林のなりたちからの変遷)を紐解く展示パネル
・豊かな植生の芦生の描いた絵画「芦生の森 四季絵巻」(平田有加 作)
・芦生の森の生き物と環境の展示

継続的なご支援のお願い

2024年に大幅にリニューアルできましたが、予算不足により実現しなかった展示もまだ残っています。さらに、貴重な標本を後世に残すため、維持管理も継続的に行っていく必要があります。
追加のご寄付をいただけましたら、これらの整備を進めることができます。引き続きご支援をお待ちしております。ご寄付はこちら
 例:アクリル樹脂標本 1点15万円
   エアコン設置  70万円(工事費含む)
   研究林の立体模型とプロジェクションマッピング 100〜500万円

(1)芦生研究林の立体模型:3Dプリンターで製作し、プロジェクションマッピングにより植生図、林相図、土壌図、地質図などを順次投影することで、土壌、地形、植生のつながりを学ぶことができます。

(2)魚、両生類、爬虫類などのアクリル樹脂封入標本など:近年、生き物の生きている姿をできるだけそこなわない標本技術が開発されてきました。学術的な価値に加えて、なかなか野外でも見ることが難しいこれらの生き物をもっと身近に学んでいただくことができるようになります。

(3)維持管理:芦生はとても湿度の高い地域です。高温多湿により展示物へのカビや虫害の発生が心配されます。除湿機を回していますが、半日でタンクが水でいっぱいになってしまいます。エアコンの設置が望まれます。