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越冬期の鳥類調査

林内で観察される野鳥のリストを作成すべく、夏期に続いて、越冬期の鳥類調査を行いました。

鳥類調査中

調査はあらかじめ決めたルート上の5地点を往復、それぞれ10分間に観察できた鳥を記録します。

調査開始時点の気温は約-13℃。スノーシューを履き、雪に覆われた林道を歩きます。調査中はほとんど動かないのでペンを持つ手もかじかみ、音声録音用のレコーダーの電池もすぐに消費してしまいました。

寒すぎなのか事務所周辺ではよく見るハシブトガラやゴジュウカラなどの小鳥たちは姿をほとんど見せず、カラスが鳴くばかり(牧場の多い標茶はカラスが多い)。正直盛り上がりに欠ける調査になりかけましたが、終盤にオオワシの群れが出没しました。以前より標茶でオオワシやオジロワシを見る機会は増えているように感じます。

鳥類調査はこれまで経験がなく、声だけとか、姿が見えても一瞬だけ、それも逆光で色が良くわからないなど、植物にない難しさがありますが、トレーニングして識別能力を身につけたいと思います。

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エゾモモンガ

エゾモモンガ

白糠での天然林の調査中に木に空いた小さな穴(樹洞)を発見。「モモンガとかいるかも」と思いつつ調査をしていると中からモモンガが飛び出してきました。

エゾモモンガはキツツキが空けるなどしてできた樹洞を利用しており、樹洞のあるような古い木が存在することで生息することができます。中が腐ったような木は林業的には欠点となりますが、多様な生物が生息する環境を提供しています。

夜行性のエゾモモンガ氏。睡眠中に叩き起こした形となり、思いっきり警戒されましたがシャッターチャンスをサービスしてくれました。

つぶらな瞳がたまりません。

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スーパーフラワーブラッドムーン

皆様のお住いのところからは皆既月食は見られましたか。
標茶ではエゾシカのライトセンサス中に徐々に欠けて、赤銅色となった後再び丸くなる様子まで見ることができました。
皆既日食の際には動物の行動に影響が見られると聞いたことがありますが、皆既月食ではどうでしょう――。
ものすごくシカが目撃できた、ということはありませんでした。
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モモンガさんごめんなさい

構内にて枯死したカラマツ(胸高直径約30cm)を倒したところ、小動物が2匹飛び出してきました。エゾリスかと思ったのですが、物陰からこちらをうかがうその姿はエゾモモンガでした。
倒した木を確認すると、高さ1mの位置に5cm×3cm程度の樹洞がありました。
さらに巣を分解してみたところ、直径15cm程度の空間にコケや体毛からなるふわふわの巣材が入っていました。

そういえば根元に何者かの糞がたまっていたのもモモンガの糞だったようで、己の不用意さと知識不足を思い知らされました。恨めしそうに見つめるあの目が忘れられません。

巣穴(分解後に撮影)
巣材(一度巣穴から外に出して戻したもの)
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アカハナカミキリ

アカハナカミキリ

道東にしては暑い日が続く中、道端にはホザキシモツケの花がたくさん咲いていました。

よく見ると、あちらこちらの花にアカハナカミキリが訪れていました。

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ミヤマクワガタ

ミヤマクワガタ

昼間の林内で、ハルニレの木にミヤマクワガタがいました。

北海道では、ハルニレの樹液に多くのクワガタムシが集まるという話を聞いていたのですが、標茶での筆者の観察では、ハルニレの樹液は、染み出す樹液の量が多い割には、ちっとも虫が集まっていません。コバエ1匹いないということがほとんどです。

写真の個体も、樹液を訪れていたわけではありませんでした。

標茶のミヤマクワガタは何を食べているんでしょうか。

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ある日、森の中

【標茶】2016年10月11日、林内に設置している自動撮影カメラにヒグマの姿がはっきりと写っていました。場所は7林班、ほぼ林縁に位置する作業道です。

日は変わって11月7日、例年よりも早い積雪があった林道上で、今度は足跡が発見されました。2頭分の足跡が5林班の遊歩道の奥方面へと続いていました。

写真上部の方が後ろ足、下が前足です。一度溶けた雪上の足跡だったので、正確な大きさは分かりませんが、一緒に写した人の手と比べて明らかに横幅18センチ以上はあります。ここで、野生動物調査痕跡学図鑑(門崎, 2009)の「ヒグマの手足横幅と頭胴長」を参照すると、体長2m近い、またはそれ以上の雄の成獣であることが推測されます。

カメラに写っていたものと足跡が同一個体かどうかなどは分かりませんが、標茶区の林内をヒグマがうろついていることはよく分かりました。

足跡の写真を撮っていると、藪からガサガサっと音がしたので、近くの車までダッシュしてしまいました。物音の正体はエゾシカでしたが、クマ鈴や撃退スプレーなど、できるだけの安全対策はしっかり行わないといけません。

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エゾハルゼミの羽化

【標茶】野生動物モニタリングとして自動撮影カメラの設置作業中に、エゾハルゼミを見つけました。
羽化したての体は、雨で一層瑞々しさを増し、感動的な美しさでした。
近くには、これから羽化するであろう幼虫の姿も。
標茶区では5/29に初鳴きを観測したので、森はこれからどんどん彼らの声で賑やかになっていくでしょう。

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今年もオオジシギがやってきた

オオジシギ

【標茶】ズビャークズビャークという特徴的な声で目が覚めました。北海道には夏鳥としてやってくるオオジシギの声です。

あまりにも近くで聞こえたので、宿舎の窓から目を凝らして探してみると、地面の色に溶け込んだ2羽を見つけることができました。

画像サイズが小さいので、ここをクリックすると大きなサイズでご覧いただけます。

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タンチョウがやってきた

【標茶】夜の間にうっすらと雪が積もった日、2羽のタンチョウが宿舎のすぐ近くまで来ていました。特別天然記念物に指定されている鳥で、日本では絶滅してしまったと思われていましたが1924年に釧路湿原で再発見され、様々な保護活動によって生息数が回復してきたという経緯があります。

右の写真はタンチョウの足跡です。人間の足跡と比べて、その大きさが伝わるでしょうか。3本指の足跡は、まるで恐竜の足跡のように見えます。