
研究用渓流水サンプルの採取中、エゾイラクサやミミコウモリなどの草に埋もれるようにノビネチドリが咲いているのを見つけました。綺麗に咲いている姿に出会えてラッキーでした。
見かけた場所はエゾシカの痕跡がたくさんある場所で、踏みつぶされたような跡の株もあり、安泰というわけにはいかないようです。今のところ積極的に保護をしているわけではないのですが、また会えるのを密かに願っています。
研究用渓流水サンプルの採取中、エゾイラクサやミミコウモリなどの草に埋もれるようにノビネチドリが咲いているのを見つけました。綺麗に咲いている姿に出会えてラッキーでした。
見かけた場所はエゾシカの痕跡がたくさんある場所で、踏みつぶされたような跡の株もあり、安泰というわけにはいかないようです。今のところ積極的に保護をしているわけではないのですが、また会えるのを密かに願っています。
研究林内に見慣れぬピンク色のエンレイソウが咲いていました。
標茶区ではオオバナノエンレイソウ(Trillium camschatcense)が群生しているのがよく見られますが
以上の特徴からミヤマエンレイソウ(Trillium tschonoskii)でないかと判断しました。別名シロバナエンレイソウなのですが、この個体がその名の通り白い花弁だったらきっと見落としていたと思います。
標茶区構内でニリンソウが花盛りです。
某コミックによると「肉のうま味を何倍にもする山菜」とのこと。ただ、トリカブトとの誤食がしばしば報告されていますので、もし試してみたいと思っても、花がついているものを選ぶようにしましょう。また、マダニも出ているので這いつくばって写真を撮るときもご注意ください。
標茶区構内でコミヤマカタバミが咲いていました。
コミヤマカタバミは夜間や雨の日に花や葉がたたまれるという特徴があります。
1枚目は曇りの日の昼過ぎに撮影。花も葉も閉じています。
2枚目は晴れの日の昼間に撮影。木々の下で日が当たりにくいからか、花は結構開いていましたが、葉はだいぶ閉じています。
3枚目は晴れの日の朝に撮影。横から光が入るためか、花・葉ともに開いています。
葉はハート形。開いていても閉じていてもかわいいです。
構内のエゾムラサキツツジとキタコブシが満開を迎えました。
今年は特にキタコブシの花付きがよく、木全体がふわっと白く浮かび上がるような姿を見せてくれました。
どの個体も総じて良く咲いているので、環境要因、例えば昨年の高温が影響しているのでしょうか。
野生の樹木の種子には年によって生産量が大きく異なる現象(結実豊凶)が見られます。北海道研究林でも標茶区、白糠区の天然林にリタートラップを設置して、継続したモニタリングを実施しています。
白糠の構内にアズマイチゲ(Anemone raddeana)が咲いていました。
先日投稿したキタミフクジュソウ同様春を告げる花で、白糠区ではよく目にします。
東日本で発見され、茎の先に花が一つつくことから東一華と書いてアズマイチゲです。
白い花びらのように見えるのは実は萼片です。
アネモネやクリスマスローズなどキンポウゲ科の仲間には花弁がないものが多いそうです。
だからといって春先に枯草の中から現れる白い花の美しさが損なわれるわけではありません。
標茶構内では3月下旬以降、キタミフクジュソウが咲いています。
昨年ほどではありませんが若干早く季節が進んでいるように感じます。
今週に入って前半は冷たい雨(後に雪に変わった)が続いていたのですが、雨も上がり一気に春らしい陽気になってきました。まもなく本格化する屋外作業に向けて準備が進められています。
冬の間になまった体も動けるよう、準備が必要です。
6月に白糠区で開催した初夏の花観察会プチフラワーソン2023(報告へリンク)で、参加者の皆様に採取してもらった植物のさく葉標本を作製しました。
観察会当日は採取して新聞紙に挟んでもらい、ラベルを書いてもらうまでを体験していただいたのですが、その後、新聞紙を交換しながら乾燥と整形をし、台紙に貼り付け、データを登録して、整理して収納し、ようやく一連の処理が終わりました。
すでに標本としては存在する種もあるのですが、徐々に劣化もするので適宜新しいものを入れる予定です。標本は現在ここに存在した世界を次世代に伝えるバトンにもなります。変わりゆく環境を紐解く一助になるかもしれません。
厳しい暑さの夏が学生実習シーズンとともにゆっくりと過ぎていってます。
山の緑も夏の盛りのような鮮やかさから紅葉シーズンに向けて徐々に色褪せてきているようです。
そんな林内に赤い実がひときわ目立ちます。今回は地名が付いた低木2種をピックアップ。標茶区の林道脇に赤い実を着けたカラフトイバラとネムロブシダマがありました。
柿色の実のカラフトイバラは別名ヤマハマナスと呼ばれ、北海道の海浜で見られるハマナスに似ています。ハマナス(ローズヒップ)同様、図鑑では果実は食用とされています。
一方、赤くてつやつやした実はネムロブシダマです。「根室地方に多く、附子(トリカブトの別名)のように毒のある玉のような実をつける」という名の通り、おいしそうでも人は食べられません。鳥に食べられることで種子散布を行うタイプなので、恐らくそんな毒をものともしない「赤い鳥、小鳥」が食べるのでしょう。いずれの種も北海道の東部によく見られる植物です。
白糠区で初夏の花観察会を開催しました。今回は釧路管内から9人が参加して天然林内の林道や川辺を歩きながら花を探しました。
研究林では林内に生育する動植物のリスト作成を行っており、今回は、昨年北海道全域で行われた開花中の植物を探すイベント(北海道フラワーソン)に準じた内容で参加者と一緒に調査を行いました。今回は64種の植物(開花55種)を見つけました。観察終了後には研究資料としての押し葉標本を作製する体験もしました。
林内は昨年職員が同じ時期に実施した調査と比較し、春の花はすでに終わっているものが多く、夏の花にはまだ少し早いといった様子で、花の種類が少なく、少し寂しい感じでしたが、参加者は図鑑や配布資料を見比べながらハコベの仲間やアカネ科の○○ムグラの仲間、カラマツソウの仲間など、姿が似ている植物の識別ポイントなどを確認しながら観察しました。参加者からは「同じように見える植物でも何種類もあることに驚いた」などといった感想が寄せられました。
観察会で発見した花(抜粋)はこちら