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上智大学「Meaningful Life: Art, Digital, and Field-based Learning」実習報告

 6月13~15日に上智大学国際教養学部の授業「Meaningful Life: Art, Digital, and Field-based Learning」が行われ、多様なバックグラウンドを持つ11名の学生が芦生研究林を訪れました。

 この授業は、教室では学べない、フィールドならではの体験や感覚、記憶こそが学生の学びになるとと考える伊藤毅教授とJohn Williams教授(上智大学)が担当されています。佐渡と京都で行われており、今年は初めて芦生研究林を訪問されました。森林生態系の仕組みを学ぶと同時に、人と生態系の関係について学び、人口集中する都市を含めた人間社会をより良く意味のあるものにしていくことを目的としています。

 13日は園部からの移動後、食堂にて芦生研究林の概要について石原林長が講義しました。園部からの移動中、車窓からの眺めに時折歓声が上がり、緑と水の綺麗さに驚いている様子でした。

 14日は雨天でしたが、大カツラと長治谷周辺の見学を行いました。
 大カツラでは石原林長が解説を行いました。大カツラの樹上ではシカの影響がなく、独自の生態系が構築されていることや、100年ほど前に撮影された大カツラの写真を学生に見せ、シカによる下層植生の変化などを解説しました。大カツラでは長めに時間をとり、周辺の見学も行いました。上智大学のキャンパス周辺では見ることができない風景に、学生は非常に興味を抱いていました。

 大カツラの見学後は、防鹿柵の見学やクマ剥ぎの説明などを行いました。シカによる植生への影響や、クマによる材木の価値の低下など、見学しないと理解が難しいことを学ぶ良い機会になったと思います。

 また、長治谷ではアカハライモリとモリアオガエルの関係や、ジギタリスという外来植物についても解説を行いました。

 午後からは芦生タカラの森代表 の鹿取悦子氏に、芦生タカラの森の活動についてご講演いただきました。森の恵みを享受する生活や文化、シカの食害がみられる中での人工林から天然林への近づけるための植林活動、森を通して未来を考えることなど、主に人と森の関わりについて講演をしていただきました。林内での解説時と同様に、この講演でも非常に活発かつ多様な視点からの質問があり、とても刺激的な1日になったようです。

 15日は午前にかやぶきの里までお送りしました。

 今回の芦生研究林で得られた知見を基に、社会と自然をよりよく繋ぐことができる人材として世界各地でご活躍されることを心より期待しております。