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近畿大学「環境管理学専門実験・実習Ⅱ」実習報告

 11月5日~7日にかけて、近畿大学農学部環境管理学専門実験・実習Ⅱが行われ、教員2名、TA1名、19名の生徒が参加しました。

 この実習は森林生態系を成す植物・動物・菌などの多様な生物のほか、化学物質や無機的環境を含む森林資源について、これを持続的に利用し保全することを目標に、森林管理,林業,生物多様性,地域振興,環境教育など,多面的な視点から学ぶことを目的としています。芦生研究林では、原生的な森林植生、生物相、長期動態プロットなどの研究サイト、植生保護柵などを通じた生態系保全を見学しました。

 初日は研究林到着後、芦生研究林の概要及び原生的な森の植生、気候等特徴について石原林長の講義を受けた後、暖温帯林の植生観察をするべく、森林軌道沿いを灰野集落跡地まで見学しました。スギやヒノキの人工林からコナラ、カシ、トチノキ、カエデ等多くの樹種の説明を加えながら熱心に見学が行われました。

 2日目は、大面積長期森林動態プロットを見学し、そこでの研究成果を石原林長が解説しました。その後、長治谷で昼食をはさみ、大規模防鹿柵、小型柵の見学を行いました。芦生の山を特徴づけるアシウスギ・ブナ・トチノキについて、シカやクマなど獣害による被害状況について、人と森の関わり(かつて森で生活していた木地師)についてなど、多様な視点から残された貴重な植生と併せて学習しました。学生たちは、植生や芦生研究林の歴史について積極的に質問を行い、解説を聞きながらメモを取ったりと非常に熱心に学んでいました。

 最後に見学を行った芦生研究林のシンボルでもある大カツラでは、木の大きさと着生している植物、その種類の多さに驚くとともに、木や植物の持つ力に興味津々の様子でした。
今年は紅葉が遅かったこともあり、学生さんは紅葉を楽しみながら、近大の講義で学んできたことを自然のなかで再確認したりと、五感を使い、とても熱心に受講していました。この実習での経験を活かし、生態系の在り方を多様な視点から考えられる人材となり、森林の持続的利用と保全が進むことを期待しています。